天板を挟めない机がある
モニターアームの多くはクランプ式で、天板の縁を挟んで固定する。ところがこの方式には前提がある。縁に挟める厚さの平らな部分があることだ。
その前提が崩れる机は珍しくない。天板の縁に補強桟が回っている、奥に幕板が立っている、引き出しのレールが縁の直下にある、そもそも壁にぴったり付けていて背面に手が入らない。こうした場合、クランプは掛かるところが無い。
支柱・ポール取付タイプは、この状況で使うアームである。 机ではなく、既にある柱状のもの――デスクの脚パイプ、パーティションの支柱、ラックの縦フレーム、カメラ用のスタンドなど――にアームの根元を巻き付けて固定する。
メリット・デメリット
メリット
- 天板を一切使わない。クランプが掛からない机でもモニターを浮かせられる
- 天板へのへこみや歪みが出ない。クランプ式で問題になる荷重の一点集中が起きない
- 机の作業面が完全に空く。アームの土台が天板の上にも下にも出ない
- 支柱に沿って上下位置を変えられるので、高さの自由度がクランプ式より大きい製品がある
- ラックやパーティションを既に使っている環境なら、追加の設置場所が要らない
デメリット
- 対応するパイプの太さが決まっている。丸パイプΦ25〜40mmといった範囲外の支柱には付かない。まず実測が要る
- 支柱そのものの強度に依存する。細い支柱や樹脂製のポールでは、モニターの重さで支柱ごとたわむ
- 角パイプ対応の範囲は丸パイプより狭いことが多い。角25・30mmのみ、という製品もある
- 取り付け位置が支柱の位置に縛られる。机の中央にモニターを置きたくても、支柱が端にあれば端からアームを伸ばすことになる
- 関節数が少ない製品では前後の調整幅が小さい。奥行きの微調整はアームの選定時点でほぼ決まる
おすすめ製品の比較
注意: 以下は2026年8月23日にサンワダイレクトの商品ページで確認した仕様である。価格は変動するため、購入前に商品ページで最新の情報を確認してほしい。
| 製品名 | 耐荷重 | 特徴 | こんな人向け |
|---|---|---|---|
| 100-LA051 | 20kg | 1関節・49インチ対応・4,980円 | 大型ディスプレイを支柱に固定したい人 |
| 100-LA053 | 15kg | 水平3関節・奥行394mm | 支柱から離れた位置へモニターを出したい人 |
| CR-LA357 | 20kg | ショートタイプ・360度回転 | 支柱の近くで完結させたい人 |
1. サンワダイレクト 100-LA051
支柱取付・ポール取付に対応する1関節アームである。耐荷重は20kg、49インチまでのディスプレイに対応する。対応するパイプはΦ25〜40mmの丸パイプ、Φ25・30mmの角パイプだ。VESAは75×75mmと100×100mmに対応する。寸法はW120×D167×H115mm、重量1.1kg、価格は4,980円(税込)である。
耐荷重20kgで49インチ対応というのは、この価格帯としては大きい。液晶テレビの取り付けまで想定した設計だ。
一方で1関節なので、前後に大きく振る動きはできない。奥行167mmという寸法が示すとおり、支柱からモニターまでの距離はほぼ固定される。支柱の位置がそのままモニターの位置になると考えたほうがよい。支柱が理想の位置にあるなら問題ないが、そうでないなら次の100-LA053を検討したい。
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2. サンワダイレクト 100-LA053
水平3関節のアームで、耐荷重15kg、34インチまで対応する。対応パイプは円形25〜40mm、角25・30mmで、100-LA051と同じ範囲だ。VESAは75×75mmと100×100mm。寸法はW120×奥行394×H115mm、重量は約1.7kg、価格は7,480円(税込)である。
100-LA051との違いは奥行394mmという数字に出ている。水平3関節なので、支柱から前へ伸ばしたり、横へ振ったり、手前に畳んだりできる。支柱が机の端や後方にあっても、モニターを見やすい位置まで持ってこられる。
代償は耐荷重が15kgに下がり、対応サイズも34インチまでになる点だ。関節が増えれば荷重を支える点も増えるので、この差は設計上の必然といえる。価格も100-LA051より2,500円高い。位置の自由度に2,500円と耐荷重5kgを払う、という選択になる。
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3. サンワサプライ CR-LA357
支柱取付けタイプのショートモデルである。耐荷重20kg、34インチまで対応、対応パイプはΦ25〜40mm(角パイプは25×25〜30×30mm)、VESAは75×75mmと100×100mmだ。寸法はW120×D183〜203×H115mm、重量1.3kg、価格は10,500円(税込・標準価格12,100円)である。
奥行が183〜203mmと可変で、100-LA051より少し前後に動く。ディスプレイの360度回転に対応しており、縦置きへの切り替えがしやすい。
注意点は価格である。100-LA051と耐荷重は同じ20kgで、対応サイズはむしろ34インチと小さいのに、価格は倍以上になる。これは法人向け型番(CRシリーズ)で、直販モデルとは設計と流通の系統が違うためだ。仕様表の数字だけを並べると割高に見えるが、回転機構と奥行きの可変幅が必要かどうかで判断が変わる。数字が同じでも用途が違う製品として比べたい。
選び方のポイント
順番を間違えると、届いてから付かないことが分かる。次の順で確認したい。
1. 支柱の太さを実測する。丸なら直径、角なら一辺の長さをミリ単位で測る。ここで対応範囲(丸Φ25〜40mm/角25・30mm)を外れていたら、他の項目を見ても意味がない
2. 支柱の強度を確かめる。手で掴んで揺すってみて、たわむようならモニターを付けたときも揺れる。アームの耐荷重は「アームが壊れない上限」であって、支柱が耐える保証ではない
3. モニターの重量とVESA規格を確認する。VESAは75×75mmか100×100mmが対象になる。それ以外の穴間隔ならVESAアダプタが別途必要になる
4. 支柱の位置と、モニターを置きたい位置の距離を測る。近いなら1関節(100-LA051)で足りる。離れているなら水平3関節(100-LA053)が要る
読者タイプ別に言えば、はじめて支柱取付を試すなら100-LA051が入りやすい。4,980円で耐荷重20kgは条件がよい。支柱の位置と設置したい位置がずれているなら100-LA053を選ぶ。縦置きへの切り替えを頻繁にするならCR-LA357の回転機構が効いてくる。
まとめ
支柱・ポール取付のモニターアームは、クランプが掛からない机で使うための選択肢である。天板を傷めず、作業面も塞がない代わりに、設置できるかどうかが支柱の太さと強度で決まる。
サンワダイレクトの100-LA051が4,980円(耐荷重20kg・49インチ対応・1関節)、100-LA053が7,480円(耐荷重15kg・34インチ対応・水平3関節)、サンワサプライのCR-LA357が10,500円(耐荷重20kg・34インチ対応・360度回転)である(いずれも2026年8月23日時点・税込)。価格は変動するため、購入前にAmazonの商品ページで最新の価格を確認してほしい。
買う前にやることは1つだけだ。支柱をミリ単位で測ること。これが対応範囲に入っていなければ、他のどの仕様も関係がなくなる。