在宅ワークのLANケーブルはCat6Aで足りる
Wi-Fiが不安定で会議中に音が途切れる。この対処として有線LANに切り替えるのは、まず試す価値のある手です。ところがLANケーブルを買おうとすると、Cat5e・Cat6・Cat6A・Cat7・Cat8と並んでいて、数字が大きいほど良さそうに見えます。
結論を先に書くと、家庭の在宅ワーク環境ではCat6Aで十分です。それ以上のカテゴリを買っても、体感が変わることはほぼありません。理由を順に説明します。
カテゴリが何を表しているか
LANケーブルのカテゴリ(Cat)は、そのケーブルがどの通信速度までを規格として保証するかを示す区分です。
- Cat5e … 1Gbps(100mまで)
- Cat6 … 1Gbps(100mまで)/10Gbpsは55mまで
- Cat6A … 10Gbps(100mまで)
- Cat7 … 10Gbps。ただし後述の理由で家庭向けとは言いにくい
- Cat8 … 40Gbps(30mまで)。データセンターの機器間接続を想定した規格
ここで効いてくるのが、ケーブルは経路の中で最も遅いところ以上には速くならないという当たり前の事実です。家庭の回線が1Gbpsの契約で、ルーターのLANポートが1Gbps対応なら、ケーブルをCat8にしても1Gbpsのままです。40Gbpsを流せるケーブルに1Gbpsの信号を流しても、1Gbpsで届くだけです。
Cat7以上を家庭で勧めない理由
Cat7には、規格上やっかいな点があります。Cat7は本来GG45またはTERAという特殊な形状のコネクタを使う規格で、家庭やオフィスで使われている一般的なRJ45コネクタは規格に含まれていません。
市販の「Cat7 LANケーブル」の多くはRJ45コネクタを付けて売られていますが、これは厳密には規格どおりの構成ではありません。ケーブル本体の性能が高くても、両端が規格外なら全体としてCat7の保証にはならない、ということです。
もう1つ、Cat7以上はシールド付き(STP)が前提という点があります。シールドは電気的なノイズを遮る構造ですが、効果を出すには機器側の接地(アース)が正しく取れている必要があります。家庭のルーターやPCは接地を前提にしていないことが多く、この場合シールドが行き場のない電気を拾って、かえって不安定になることがあります。「高いケーブルにしたら不安定になった」という話は、たいていこれです。
買うときに確認する3点
1. 契約回線とルーターの速度。1Gbps契約なら、Cat6かCat6Aで頭打ちです。10Gbps契約に上げる予定があるならCat6Aを選んでおけば、そのまま使い回せます。
2. 必要な長さ+余裕30cm程度。ぴったりの長さを買うと、机を少し動かしただけで抜けます。逆に長すぎると束ねる必要があり、きつく巻くと内部の撚りが崩れて通信品質が落ちます。余らせるなら緩く8の字にまとめてください。
3. 形状(丸型か平型か)。平型(フラット)はカーペットの下やドアの隙間を通しやすい反面、構造上ノイズに弱く、長距離では不利です。5m以内なら平型でも実用上問題は出にくいですが、10mを超えるなら丸型のほうが無難です。
おすすめ製品の比較
1. エレコム Cat6A LANケーブル
国内メーカーの定番です。Cat6Aで、長さと形状のバリエーションが豊富に用意されています。
メリットは、長さの刻みが細かいことです。1m・2m・3m・5m・10mと選べるので、必要な長さに近いものを選びやすい。国内メーカーなので、パッケージの日本語表記が分かりやすいのも実用上の利点です。
デメリットは、同等スペックの海外ブランド品と比べると価格が高めになりがちなこと。また型番が非常に多く、同じ「Cat6A」でもシールドの有無や形状が違うため、型番の末尾まで確認する必要があります。
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2. サンワサプライ Cat6A LANケーブル
こちらも国内メーカーで、法人向けの取り扱いが多いぶん、仕様の記載が細かい傾向があります。
メリットは、シールドの有無(UTP/STP)や導体の太さ(AWG)といった仕様が明記されていることが多い点です。前述のとおり家庭ではシールド無し(UTP)のほうが扱いやすいので、その判断ができる情報が載っているのは選びやすさにつながります。
デメリットは、家庭向けの短い製品より業務用途を想定した長尺品の比率が高いことです。1m前後を探す場合は選択肢が絞られます。
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3. 平型(フラット)Cat6A LANケーブル
ルーターが別の部屋にあり、ドアの下や壁際を通す必要がある場合の選択肢です。
メリットは、厚さが数ミリしかないため、ドアを閉めたまま通せること。カーペットの下に敷いても盛り上がりません。壁に沿わせるときも見た目が目立ちません。
デメリットは、内部構造の都合でノイズに弱く、規格どおりの性能が出にくいことです。また踏まれる場所に敷くと断線しやすい。長さは5m以内に抑え、家具の脚が乗る位置は避けてください。
まとめ
LANケーブルは、カテゴリの数字を上げるほど良くなるものではありません。効くのは経路全体で最も遅いところであって、ケーブル単体ではないからです。1Gbps契約ならCat6Aを選んでおけば、将来10Gbpsに上げても買い直しは要りません。
Cat7・Cat8は、コネクタ規格と接地の前提が家庭環境と噛み合わないため、価格ぶんの効果が出にくい。ここに予算を使うくらいなら、ルーターの置き場所を見直すか、ケーブルの長さを適正にするほうが体感は変わります。
価格・仕様・在庫は変動します。購入前にAmazonの商品ページで最新の情報をご確認ください。