挿したのにマイクだけ認識されない
スマートフォン用のマイク付きイヤホンをノートPCに挿すと音は聞こえるのにマイクが使えない、逆に古いPC用ヘッドセットをノートPCに挿すと端子が1つしかなくて困る。Web会議でよくあるこの2つの悩みは、3.5mmプラグの「極数」と、4極の中の「配列」の違いから起きます。
3極と4極、そして4極の中の2つの規格
3.5mmのプラグは、先端から順に金属の区切り(極)が並んでいます。3極は左音声・右音声・グランドの3つで、音を聞くだけのイヤホンやヘッドホンです。4極はこれにマイクが加わり、1本のプラグでヘッドセットとして使えます。
4極には配列の異なる2つの規格があります。サンワサプライのQ&Aでは、CTIA規格は「左側音声」「右側音声」「マイナス(グランド)」「マイク」の順、OMTP規格は「左側音声」「右側音声」「マイク」「マイナス」の順と説明されています。3番目と4番目が入れ替わっているだけですが、ここが違うとマイクの信号がグランドにつながってしまい、音声が入らなかったり、正しく認識されなかったりします。
| 規格 | 先端から順の配列 | 主な採用 |
|---|---|---|
| CTIA | 左・右・グランド・マイク | 日本で流通するスマートフォン、ゲーム機、ノートPCの多く |
| OMTP | 左・右・マイク・グランド | 一部の古い携帯電話や海外製品 |
サンワサプライは、同社の4極ミニプラグ製品はCTIA規格だと案内しています。解説記事でも、日本で流通しているスマートフォンやPCのほとんどはCTIAで、CTIAの機器にOMTPのマイクを挿すと認識されないか音声が入らないとされています。現在の製品で迷ったら、CTIAと書かれているものを選べば、ほぼ問題になりません。
PCの端子が1つか2つかが本当の分かれ目
4極の配列よりも実際に困るのは、PC側の端子の構成です。
- 端子が1つ(ヘッドセット端子)のPC: 4極のCTIAプラグに対応し、マイク付きイヤホンを1本で使えます。最近のノートPCはこの構成が多く、ASCII.jpの記事でも、この端子は4極のヘッドセット向けで、3極のマイクを単独で挿しても使えないことが説明されています
- 端子が2つ(ヘッドホン出力とマイク入力が別)のPC: 3極のプラグが2本あるPC用ヘッドセットを想定した構成です。ここに4極のマイク付きイヤホンを1本だけ挿しても、マイクは使えません
つまり、手持ちのヘッドセットのプラグが「4極1本」なのか「3極2本」なのかと、PCの端子が「1つ」なのか「2つ」なのかの組み合わせで、変換ケーブルの向きが決まります。
実在の変換ケーブルで見る選び分け
1. サンワサプライ KM-A25-005(3極メス×2 → 4極オス)
サンワサプライの公式製品ページでは、KM-A25-005はPC用ヘッドセット(3.5mmステレオミニプラグ×2)を、3.5mm4極ミニジャックを持つスマートフォン・タブレット・PCで使うための変換アダプタケーブルで、ケーブル長5cm、3.5mm4極ミニプラグと3.5mmステレオミニジャック×2(イヤホン/緑、マイク/赤)、準拠規格はCTIA、プラグ・ジャックは金メッキとされています。Apple製のPCには対応せず、ヘッドセット側のミュートや通話ボタンの制御には対応しません。ヨドバシ・アスクルなどの通販でも同じ仕様で扱われています。
- メリット: 3極2本の古いPC用ヘッドセットを、端子が1つのノートPCでそのまま使える
- デメリット: 5cmと短く、ケーブルの分岐部分がノートPCの横にぶら下がる。ボタン操作は効かない
- 向いている人: 会社支給の2プラグ式ヘッドセットを、端子1つのノートPCで使いたい人
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2. エレコム AV-35AD02BK(3極メス×2 → 4極オス)
エレコムの公式オンラインストアの製品情報では、AV-35AD02BKはPC用ヘッドセット(3.5mmミニプラグ×2)を、3.5mm4極ミニジャックを搭載したスマートフォンやタブレットPCに接続する変換ケーブルで、コネクタは3.5mmステレオミニジャック×2(マイク/イヤホン)と3.5mm4極ミニプラグ、長さ約0.05mとされています。ケーズデンキやヤマダデンキの製品情報でも同じ構成で掲載されています。向きはサンワサプライのKM-A25-005と同じです。
- メリット: KM-A25-005と同じ用途で、販売店によってはこちらのほうが入手しやすい
- デメリット: 対応機種の記載がスマートフォン・タブレット中心で、PCでの動作は端子の規格次第。こちらも短い
- 向いている人: 2プラグ式ヘッドセットを4極端子の機器で使いたい人で、店頭で見つかったほうを選びたい人
3. エレコム AV-35AD01BK(4極メス → 3極オス×2)
エレコムの公式製品ページでは、AV-35AD01BKは3.5mm4極ミニプラグのマイク付きイヤホン(スマートフォン・タブレット用)を、3.5mmミニプラグ×2(マイク入力端子・イヤホン端子)を持つPCに接続する変換ケーブルで、コネクタは3.5mm4極ステレオミニジャックと3.5mmミニプラグ×2(マイク/イヤホン)、長さ約0.05mとされています。上の2本とは向きが逆で、端子が2つあるデスクトップPCや古いノートPCで、スマホ用イヤホンのマイクを使うための製品です。
- メリット: スマホ用のマイク付きイヤホンを、端子が2つのPCでヘッドセットとして使える
- デメリット: 端子が1つのノートPCには不要。対応OSの記載が古いWindowsまでで、新しいOSでの動作は端子の電気的な互換に依存する
- 向いている人: マイク入力端子が別にあるデスクトップPCで、手持ちの4極イヤホンを会議に使いたい人
選び方のポイント
1. PCの端子を数える。 1つならCTIAの4極ヘッドセットをそのまま、2つならプラグが2本のヘッドセットか、4極メス→3極オス×2の変換(AV-35AD01BK)を使います
2. ヘッドセット側のプラグを数える。 3極2本なら、端子1つのPCには3極メス×2→4極オスの変換(KM-A25-005・AV-35AD02BK)が要ります
3. 変換ではボタンが効かないことを前提にする。 ミュートや通話ボタンは、変換ケーブルを挟むと動かないとメーカーが明記しています
4. そもそも3.5mmを避けるならUSB接続に。 USB-Cの有線イヤホンは端子の配列問題が起きません。USB-C有線イヤホンの選び方で扱っています
まとめ
4極プラグのCTIAとOMTPは3番目と4番目の配列が入れ替わっているだけで、日本で流通する現在の機器はほぼCTIAです。実際に困るのは、PCの端子が1つか2つかと、ヘッドセットのプラグが4極1本か3極2本かの組み合わせで、変換ケーブルは向きを間違えると役に立ちません。仕様はメーカー公式または販売店の製品情報で確認した値ですが、価格や在庫は変わるため、購入前にAmazonの商品ページで最新の情報を確かめてください。