「ノイズキャンセリング」は2か所にある
ヘッドセットの仕様でよく見る「ノイズキャンセリング」には、実は2種類あります。
- 耳側のノイズキャンセリング(ANC): 自分に聞こえる周囲の音を減らす機能
- マイク側のノイズキャンセリング: 相手に届く自分の周囲の音を減らす機能
Web会議で「後ろの生活音が相手に聞こえている」「キーボードの打鍵音を指摘された」という悩みに効くのは、マイク側です。耳側のANCの方式についてはANCのFF・FB・ハイブリッドの違いで扱っているので、ここではマイク側に絞ります。
マイク側のノイズ低減は大きく3つの考え方
| 方式 | 仕組みの考え方 | 得意な場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 単一マイク型(ブームを口元へ) | マイクを口に近づけ、声を大きく・周囲音を相対的に小さく拾う | 静かめの部屋、価格を抑えたいとき | マイク位置がずれると効果が落ちる |
| 複数マイク型 | 2つ以上のマイクの拾い方の差から、声と周囲音を分けて抑える | 家族の声や生活音がある部屋 | 仕様表の「◯マイク」だけでは効き方が分からない |
| AI処理型 | 学習したモデルで声以外の音を判別して抑える | 突発的な音、相手側の雑音も減らしたいとき | 処理の効き方は環境や声質で変わる |
実際の製品は、ブームマイクの位置と複数マイク、信号処理を組み合わせていることが多く、きれいに1つに分類できるわけではありません。仕様表では「マイクの数」と「ノイズ低減の処理(AIなど)」の記載を見るのが現実的です。
なお、Microsoft Teams や Zoom などの会議アプリ側にもノイズ抑制の設定があります。ヘッドセットの処理とアプリの処理を重ねると、声が途切れたり不自然になったりすることがあるため、気になる場合はどちらかを弱めて試します。
実在モデルで見るマイクのノイズ低減
1. ロジクール H390r(ブームマイク型の定番)
ロジクールの販売ページでは、ノイズキャンセリングマイク付きの回転式ブーム、インラインのミュートと音量調整を備えたUSB有線ヘッドセットとされています。マイクの周波数特性は100Hz〜10kHz、重量は197gです。ノイズ低減の詳しい処理方式は公表されていないため、ブームを口元に寄せて使う基本形として捉えるのが妥当です。
- メリット: USBで挿すだけで使え、手に取りやすい価格帯の定番機
- デメリット: マイク数やAI処理の記載はなく、生活音の多い部屋では効果が限られる場合がある
- 向いている人: 比較的静かな部屋で、まず1台用意したい人
2. Jabra Evolve2 30 SE(2マイク型)
Jabraの製品ページでは、2マイクの通話技術で声を拾いながら周囲の音を分析・低減するとされています。USB-AとUSB-Cの接続モデルがあり、主要な会議アプリでの利用をうたう有線ヘッドセットです。
- メリット: 2つのマイクで周囲音を抑える構成が明記されている。ビジネス向けラインで会議用途を想定した設計
- デメリット: 耳側に電子的なANCは備えていない(遮音はイヤークッションによるパッシブ)。接続端子や認証の種類でモデルが分かれており選び間違えやすい
- 向いている人: 生活音のある部屋で会議が多く、マイク側の性能を重視したい人
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3. ロジクール Zone Wired 2(2マイク+AI処理型)
ロジクールのニュースリリース(2026年2月19日発売)によると、2つのノイズキャンセリングマイクと、AI技術を使った Advanced Call Clarity 機能を搭載し、自分側だけでなく相手側の通話ノイズも低減するとされています。耳側にはアダプティブ ハイブリッドANCを備え、接続はUSB-CまたはUSB-A、重量は223.5gです。
- メリット: マイク側と耳側の両方でノイズを減らせる。相手側の雑音も抑える機能がある
- デメリット: 3機種の中では重め。機能が多いぶん価格帯は上がりやすい
- 向いている人: 騒がしい環境でも会議に出る機会が多く、聞く・話すの両方を改善したい人
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選び方のポイント
1. 困っているのが「相手に届く音」か「自分に聞こえる音」かを分ける。 前者ならマイク側、後者なら耳側のANCを優先します
2. 仕様表でマイク数と処理の記載を確認する。 「ノイズキャンセリングマイク」とだけ書かれている場合は、ブーム位置で効かせる基本形と考えておきます
3. 会社の会議システムに合わせる。 Teams 認証モデルの意味はTeams認定ヘッドセットの解説にまとめています
4. マイクの指向性も関係する。 声をどの方向から拾うかはマイクの指向性の違いが参考になります
まとめ
マイク側のノイズ低減は、口元に寄せる単一マイク型、複数マイク型、AI処理型の組み合わせで考えると整理しやすくなります。
- 初めてヘッドセットを買う人: ブームマイク付きの定番USBヘッドセット
- コスパ重視の人: マイク数が明記された会議向けモデルで、マイク側の性能を優先する
- 高機能を求める人: AI処理と耳側のANCを両方備えたモデル
価格は変動します。購入時点のAmazonの表示で確認してください。
出典
- ロジクール公式ストア(楽天市場)「H390r」製品情報、モノタロウ・アスクル 製品情報 確認日 2026-10-02
- Jabra「Jabra Evolve2 30 SE」製品ページ、Amazon.co.jp 商品ページ 確認日 2026-10-02
- ロジクール ニュースリリース「Zone Wired 2」、価格.com マガジン ニュース 確認日 2026-10-02