MX Master 3SとMX Keys Sを揃える価値はあるか

マウスとキーボードを両方ロジクールのMXシリーズで揃えると、合計で3万円から3万5千円ほどになります。単体で買えば安いものがいくらでもある中で、この金額を出す意味があるのかどうか。結論から言うと、判断の分かれ目は「複数の端末を毎日行き来しているか」です。

MXシリーズの中心的な機能は、Easy-Switch による端末の切り替えです。ボタンひとつで最大3台の接続先を切り替えられます。この機能は、マウスとキーボードの両方を同じシリーズで揃えたときに初めて意味が完成します。片方だけだと、切り替えるたびにもう片方が付いてこないからです。

逆に言えば、端末が1台しかない人にとっては、この投資の一番大きい部分が無駄になります。

メリット・デメリット

メリット

  • 端末の切り替えが1動作で済む。会社のPCと自分のPC、あるいはPCとタブレットを行き来する人にとっては、これが毎日効いてきます。ケーブルの抜き差しもBluetoothの再ペアリングも要りません。

  • Logi Bolt に対応している。USBレシーバー1つで複数のMX機器をつなげる規格です。Bluetoothが不安定な環境や、Bluetoothを使えない業務PCでも使えます。

  • 打鍵感と持ち心地に投資している製品である。MX Keys S はパンタグラフ方式で、Perfect Stroke と呼ばれるキー形状を採用しています。1日に何時間も触るものなので、ここに金をかける判断自体は合理的です。

  • Smart Actions によるカスタマイズ。複数の操作をまとめて割り当てられます。使いこなせば効くが、使わない人にはまったく関係ない機能でもあります。

デメリット

  • 単純に高い。MX Keys S は発売時点で15,950円前後の価格帯です。マウスと合わせると3万円台になります。同じ予算で、無線マウスと無線キーボードを揃えるなら1万円以内でも十分に選択肢があります。

  • 重い・持ち運びに向かない。どちらも据え置き前提の作りです。カバンに入れて毎日持ち歩く用途なら、MX Anywhere 3S のような携帯向けモデルのほうが合います。

  • 専用ソフトが前提の機能が多い。Smart Actions もボタンのカスタマイズも、Logi Options+ を入れて設定して初めて使えます。ソフトを入れられない業務PCでは、機能の一部しか使えません。

  • 充電式である。乾電池式のように、切れたら入れ替えて即復帰、とはいきません。ただしどちらも充電1回で長く持つ設計です。

おすすめ製品の比較

1. ロジクール MX Master 3S

MXシリーズの中核となるワイヤレスマウスです。エルゴノミクス形状で手のひら全体を乗せる持ち方に合わせて作られており、親指側にホイールとボタンがあります。Easy-Switch で最大3台を切り替えられます。

2026年には Bluetooth 接続に対応した「MX MASTER 3S Bluetooth edition」(17,820円)も発表されており、こちらは Actions Ring という新しい機能に対応しています。購入時は、自分がレシーバー運用をしたいのか Bluetooth 運用でよいのかを先に決めてから型番を選んでください。

メリットは、長時間握っても手首の負担が少ないこと。デメリットは、手が小さい人には大きすぎることがある点です。可能なら店頭で握ってから買うのが確実です。

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2. ロジクール MX Keys S

2023年6月8日発売のフルサイズキーボードです。パンタグラフ方式のキースイッチで、Perfect Stroke キー、手を近づけると点灯するスマートイルミネーション、Smart Actions、Easy-Switch による最大3台切り替え、Logi Bolt 対応が主な特徴です。

メリットは、ノートPCに近い浅めのストロークで、静かに速く打てること。メカニカルキーボードの打鍵感を求める人には物足りませんが、オフィスや家族のいる部屋で使うなら音の小ささは大きな利点です。デメリットは、テンキー付きのフルサイズで場所を取ること。デスクが狭いなら、設置してからマウスを動かす幅が残るかを確認しておく必要があります。

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3. ロジクール MX Anywhere 3S

据え置きの MX Master 3S に対して、こちらは携帯向けの小型モデルです。同じ MX シリーズなので Easy-Switch と Logi Options+ の機能は共通で使えます。ChatGPT との連携機能を含む紹介記事も出ています。

メリットは小さくて軽いこと。カバンに入れて持ち歩く前提ならこちらです。デメリットは、小さいぶん長時間の作業では手首が疲れやすいこと。据え置き用に MX Master 3S、持ち歩き用に MX Anywhere 3S という2台持ちは、MXシリーズの中では合理的な組み合わせです。設定が Logi Options+ で共有されるので、切り替えても操作感が変わりません。

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まとめ

揃える価値があるのは、次の条件に当てはまる人です。

  • 2台以上の端末を毎日行き来している。Easy-Switch の恩恵が最も大きい層です。

  • 1日に4時間以上キーボードとマウスを触る。時間あたりで考えれば、3万円は数年で償却できます。

  • Logi Options+ を入れられる環境である。入れられないなら、機能の半分は使えません。

逆に、端末が1台だけ、作業時間が1日1〜2時間、業務PCにソフトを入れられない、のいずれかに当てはまるなら、この投資は見送ってよいと思います。その場合はもっと安いワイヤレス製品で十分です。

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