機材が集まる部屋は、湿気が真っ先に問題になる
在宅ワークの部屋には、PC本体、外付けストレージ、キーボード、紙の書類、革のチェアが集まる。どれも湿気に弱い。梅雨や夏場に閉め切った部屋では、書類が波打ち、革が白く粉を吹き、押し入れに入れた機材の箱にカビが出る。
エアコンの除湿でもある程度は下がるが、冷房と兼用するため「温度は下げたくないが湿度は下げたい」という状況に合わない。除湿機は湿度だけを狙って落とす機器で、部屋の一角に置いて使う。
方式の違いを先に押さえる
除湿機の方式は主に2つあり、得意な季節が逆である。
| 方式 | 仕組み | 得意な時期 | 弱点 |
|---|---|---|---|
| コンプレッサー式 | 空気を冷やして水分を結露させる | 気温の高い梅雨〜夏 | 気温が低いと能力が落ちる・本体が大きめ |
| デシカント式 | 乾燥剤で吸着しヒーターで乾かす | 気温の低い秋〜冬 | ヒーターを使うため室温が上がる |
夏場の湿気だけを狙うならコンプレッサー式、冬の結露や年間を通した使用ならデシカント式が噛み合う。部屋の広さより先に、いつ使うかで方式を決めるほうが失敗しない。
メリット・デメリット
メリット
- 湿度だけを下げられる。冷房で体が冷える問題を避けられる
- 書類・革製品・電子機器のカビと結露を抑えられる
- 洗濯物の室内干しが早く乾く。梅雨時に部屋干しをする人には効きが大きい
- タンクを外して捨てるだけで運用できる。工事が不要
- ホース接続に対応した機種なら、排水を連続で流して溜まる手間をなくせる
デメリット
- 運転音がある。静音モードで38dB前後、洗濯物の乾燥モードでは51dBに達する機種もある。会議中に同じ部屋で回すのは厳しい
- 排熱で室温が上がる。コンプレッサー式も熱を出し、デシカント式はヒーターを使うためさらに上がる
- タンクの水捨てが要る。3.5Lクラスでも、湿度の高い日は一日一回では済まないことがある
- 本体が場所を取る。高さ590mmクラスの機種は、デスク下には収まらない
- 消費電力が160〜315W程度あり、つけっぱなしにすると電気代に出る
おすすめ3機種の比較
注意: 以下は2026年8月24日に各メーカーの公式製品ページ・公式取扱説明書で確認した仕様である。価格は変動するため、購入前に商品ページで最新の情報を確認してほしい。
| 製品名 | 方式 | 除湿能力 | タンク | こんな人向け |
|---|---|---|---|---|
| コロナ CD-P6326 | コンプレッサー式 | 約6.3L/日 | 3.5L | 夏場に書斎1部屋を狙う人 |
| アイリスオーヤマ IJC-H140 | コンプレッサー式 | 12.9〜14L/日 | 3.8L | 広い部屋・部屋干しを兼ねる人 |
| シャープ CV-S60 | デシカント式 | 5.4〜5.6L/日 | 1.5L | 冬も使う・置き場所が狭い人 |
1. コロナ CD-P6326(Pシリーズ)
コンプレッサー式の定番構成である。除湿能力は24時間あたり約6.3L、タンク容量は3.5Lで、連続運転時間は約13時間(60Hz)〜約15時間(50Hz)。除湿時の消費電力は160/180W(50/60Hz)だ。
同シリーズは流通経路によって型番が分かれており、ホームセンター向けがCD-P6326、一般流通向けがBD-6326である。中身の構成は同じシリーズとして案内されているので、店頭で型番が違っても慌てなくてよい。
公式ページには運転音のdB値の記載がない。コンプレッサー式は圧縮機が動くため無音ではなく、静かな書斎で会議中に回すことは想定しないほうがよい。逆に、外気温が高い時期の除湿量あたりの電力は優秀である。
2. アイリスオーヤマ IJC-H140
除湿能力が大きい機種で、定格は50Hzで12.9L/日・60Hzで14L/日である。タンクは3.8L、寸法は幅346×奥行250×高さ590mm、消費電力は290/315W(50/60Hz)。電源コードは1.9mだ。
除湿可能面積の目安は60Hz時で木造和室29㎡(18畳)、プレハブ洋室44㎡(27畳)、鉄筋コンクリート58㎡(35畳)とされている。書斎1部屋には余裕があり、リビングと兼用する使い方も入る。オートルーバーで吹き出し方向を振り、キャスターで部屋を移動できる。
市販のホース(内径15mm)を接続すれば連続排水ができるので、タンクの水捨てから解放される点が実用上大きい。一方で高さ590mmは相応の存在感があり、消費電力も3機種で最大だ。「書斎の隅に置いて夏だけ回す」用途には過剰なこともある。
3. シャープ CV-S60
デシカント式で、除湿能力は5.4/5.6L/日(50/60Hz)。寸法は幅300×奥行300×高さ323mm、重量は約6.7kg、タンクは約1.5Lである。高さ32cm程度のキューブ型で、3機種では最も置き場所を選ばない。
公式仕様に運転音が明記されているのが選びやすい。衣類乾燥(速乾)51dB、衣類乾燥(静音)38dB、除湿(自動)38dB、脱臭51dB(いずれも50/60Hz共通)である。除湿の自動運転が38dBなら、同じ部屋で作業していても会話や会議の妨げになりにくい水準だ。
デシカント式なので、ヒーターを使う分だけ室温が上がる。冬場の結露対策では利点になるが、真夏に閉め切った部屋で長時間回すと暑くなる。プラズマクラスターによる部屋干し臭の抑制、360度全周吹き出し、乾き具合を予測して自動停止する機能も持つ。タンクが1.5Lと小さいため、湿度の高い日は水捨ての回数が増える。
選び方のポイント
会議をする部屋なら、運転音の実数値がある機種を選ぶ
公式に静音時のdB値を出している機種を選ぶと、事前に判断できる。目安として、40dBは図書館の静けさ、50dBを超えると会話に混ざる。マイクは自分の耳より無遠慮に拾うので、Web会議のある部屋では静音38dBクラスを基準にしたい。
タンク容量は「水を捨てに行く頻度」である
除湿能力6L/日でタンク3.5Lなら、満水まで半日強で到達する。作業中に満水停止すると、その先は除湿されていない。連続排水のホース接続に対応しているかを、能力より先に確認する価値がある。
部屋の広さは方式の後に見る
同じ「6畳向け」でも、コンプレッサー式は冬に能力が落ち、デシカント式は夏に室温を上げる。畳数表記だけで選ぶと、使いたい季節に噛み合わないことがある。
読者タイプ別のまとめ
- 夏の書斎1部屋・コスパ重視: コロナ CD-P6326。除湿量あたりの電力が優秀
- 広い部屋/部屋干しも兼ねる: アイリスオーヤマ IJC-H140。14L/日と連続排水が効く
- 通年で使う/狭い場所に置く/音が気になる: シャープ CV-S60。静音38dBと高さ32cmが決め手
当サイトでは卓上加湿器、卓上空気清浄機、温湿度計、CO2モニターについても別記事で扱っている。除湿機を買う前に温湿度計で実際の数値を測っておくと、必要な能力の見当がつく。
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