床用ケーブルモールとは?
デスク下の配線はケーブルトレーで浮かせられますが、部屋を横切る配線だけはどうにもなりません。壁のコンセントが対角にある、ルーターが別の部屋にある、プリンターを窓際に置いている。こういう事情でLANケーブルや電源コードが床を這うことになります。
床を這うケーブルには具体的な害が2つあります。1つはつまずきです。踏むだけならまだしも、足を引っかけて機器ごと引き倒す事故が起きます。もう1つは断線です。人が踏み、椅子のキャスターが乗り上げ、掃除機が引っ張る。この繰り返しで被覆が傷み、内部で断線します。LANケーブルの場合は完全に切れる前に通信速度だけが落ちるので、原因に気づくまで時間がかかります。
床用ケーブルモールは、この2つを1つの部品で防ぐものです。ケーブルを溝に収め、上から蓋をして、断面をなだらかな山形にします。山形なのは、足やキャスターが引っかからずに乗り越えられるようにするためです。
メリット・デメリット
メリット
- 断面が丸みを帯びた形状なので、足を引っかけずに乗り越えられる。つまずき事故を物理的に減らせる。
- ケーブルが直接踏まれなくなるため、被覆の摩耗と断線を防げる。掃除機やキャスターが乗っても中身に届かない。
- 木目調の製品を選べば、フローリングに紛れて見た目の悪化が小さい。白や黒のモールは床の上でかなり目立ちます。
- 位置を変えたくなったときに外して付け直せる。床に穴を開ける工事とは違い、賃貸でも使えます。
デメリット
- 通せる本数に上限があります。 幅30mmでLANケーブル2本、幅50mmで4本といった具合で、太い電源コードを混ぜるとさらに減ります。買う前に本数を数えてください。
- 段差はゼロにはなりません。ロボット掃除機は乗り越えられないことがあり、キャスターの小さい椅子も引っかかります。
- 固定方法が両面テープの製品では、床材によっては剥がれるか、逆に剥がすときに床を傷めます。フロアタイルやクッションフロアでは注意が要ります。
- 長い距離を通すには複数本の連結が必要で、継ぎ目が増えるほど見た目も踏み心地も悪くなります。
選ぶときに見る2つの数字
幅と収納本数が1つ目です。カタログには「LANケーブル◯本まで」という形で書かれています。ここで数えるのは今通したい本数ではなく、将来足す可能性のある本数です。あとから1本足したいだけのために全部やり直すのは、想像よりずっと面倒です。
色が2つ目で、これは見た目だけの話ではありません。床の色と大きく違うモールは、そこに段差があることを目で警告してくれるので、つまずき防止としては目立つほうが有利です。逆に、生活動線から外れた場所で見た目を優先するなら床に合わせます。どちらを取るかは設置場所で決めてください。人が頻繁に歩く場所なら、見えることに価値があります。
おすすめ製品の比較
1. サンワサプライ CA-R30LM
サンワサプライが2025年12月11日に発表した床用ケーブルモールのシリーズです。幅30mmでLANケーブル2本まで収納でき、強度の高いPVC素材を使っています。つまずきを防ぐために断面を丸みのある形状にしてあり、ケーブルを通しやすくするためのガイドが付いています。価格はシリーズ全体で1,210円(税抜1,100円)から1,870円(税抜1,700円)の範囲と発表されています。
このシリーズの特徴は木目模様です。LMがライト木目、NMがナチュラル木目で、すでに販売されていたダーク木目と合わせて3色から床に合わせて選べます。フローリングの上に白いモールを引くと配線の存在がかえって強調されますが、木目ならそこまで浮きません。
30mm幅は最小構成です。LANケーブル1〜2本を隣室から引いているだけという用途にちょうど合います。電源コードを混ぜるつもりなら、次の50mm幅を検討してください。
2. サンワサプライ CA-R50NM
同じシリーズの幅50mmモデルで、LANケーブル4本まで収納できます。NMはナチュラル木目です。素材と形状の考え方は30mm幅と共通で、違いは幅と収納本数だけです。
こちらを勧めたい場面ははっきりしています。LANケーブルと電源コードを同じ経路で通す場合です。電源コードはLANケーブルより太いので、30mm幅では2本入らないことがあります。50mm幅なら、LANケーブル2本と電源コード1本といった混在構成に余裕があります。
もうひとつ、テレビ周りやデスク周りは配線が増える方向にしか動きません。今2本でも、モニターを足せば3本になります。迷ったら太いほうを選ぶのが、この手の部材では結果的に安く済みます。差額は数百円ですが、やり直しの手間は数百円では買えません。
3. エレコム ケーブルモール 床用
エレコムもケーブルモール・ケーブルカバーのカテゴリを持っており、床用・フラットタイプ・コーナー用など形状別に製品を展開しています。サンワサプライとの比較で見るべきは、フラットタイプとコーナー用があることです。
フラットタイプは山形ではなく平たい形状で、段差をさらに抑えたいときに使います。ロボット掃除機を使っている家庭では、山形より乗り越えやすい場合があります。コーナー用は壁際や部屋の角で配線を曲げるための部材で、直線のモールだけでは処理しきれない箇所に使います。部屋を斜めに横切るのではなく壁沿いに回す配線では、この部材があるかどうかで仕上がりが変わります。
エレコム製品は家電量販店での取り扱いが広く、実物を見て床の色と合わせやすいのも利点です。具体的な型番・幅・収納本数・色は製品ごとに異なるため、購入前に商品ページの仕様欄で確認してください。
まとめ
まず通す本数を数えてください。LANケーブル1〜2本だけならCA-R30LM系の30mm幅、電源コードを混ぜるならCA-R50NM系の50mm幅です。将来1本足す可能性があるなら太いほうを選んでおくのが安全で、差額は数百円です。
設置場所で色を決めます。 人がよく歩く場所なら、床と違う色にして段差を見えるようにするほうがつまずき防止になります。動線から外れているなら木目調で床に馴染ませます。サンワサプライのシリーズはライト木目・ナチュラル木目・ダーク木目の3色があるので、床材に近いものを選べます。
壁沿いに回す配線なら、コーナー用の部材があるエレコムのラインを見てください。 直線のモールだけで角を処理しようとすると、そこだけ浮いて見栄えも踏み心地も悪くなります。
なお、ロボット掃除機を使っている場合は、山形のモールを乗り越えられるかを先に確認してください。乗り越えられないなら、フラットタイプを検討するか、そもそも掃除機の通り道を避けて配線してください。価格は変動しますので、購入前にAmazonの商品ページで最新の価格と仕様を確認してください。本記事の仕様は2026年8月18日にサンワサプライのニュースリリースおよびエレコムの製品カテゴリページで確認したものです。