外付けSSDの速度は「SSD側」と「PC側」の両方で決まる

在宅ワークのバックアップや、大きな動画・写真ファイルの持ち運びに外付けSSDを使う人は多いと思います。製品ページを見ると「最大1,050MB/s」「最大2,000MB/s」といった数字が並びますが、この差は主にUSBの規格の違いから来ています。10Gbps(USB 3.2 Gen 2)の製品と、20Gbps(USB 3.2 Gen 2x2)の製品です。

注意したいのは、20Gbps対応のSSDを買っても、PC側のUSBポートとケーブルが20Gbpsに対応していなければ、10Gbps相当の速度しか出ないことです。この記事では2つの規格の違いを整理し、実在する3製品をメーカーや販売店の公表仕様で比べます。

10Gbpsと20Gbpsの違い

項目10Gbps(USB 3.2 Gen 2)20Gbps(USB 3.2 Gen 2x2)
公表される読み込み速度の目安約1,000MB/s前後約2,000MB/s前後
速度を出す条件10Gbps以上のUSBポートPCのポートとケーブルの両方がGen 2x2に対応
対応するPC多くのPCが対応対応ポートを持つPCが限られる
低い規格のポートにつないだ場合遅くなるが使える遅くなるが使える
向く使い方書類や写真のバックアップ、持ち運び大容量の動画素材を頻繁にコピーする

メリット・デメリットの整理

  • 10Gbpsのメリット: 対応するPCが多く、ほとんどの環境で公表値に近い速度を期待しやすい

  • 10Gbpsのデメリット: 数百GB単位の動画素材を何度もコピーする用途では、20Gbpsより待ち時間が長くなる

  • 20Gbpsのメリット: 対応環境では10Gbpsのおよそ2倍の速度が公表されている

  • 20Gbpsのデメリット: PC側がGen 2x2に対応していないと速度を活かせない。販売店の案内では、Thunderbolt/USB4を備えたMacでも10Gbpsまでに制限されるとされている

実在製品の仕様

1. Samsung Portable SSD T7 Shield(10Gbps)

Samsungの公式サイトとニュースリリースによると、T7 ShieldはUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)に対応した外付けSSDで、読み込みは最大1,050MB/s、書き込みは最大1,000MB/sです。重さは98g、大きさは88×59×13mmです。IP65の防じん・防水性能を持ち、3mからの落下に耐えるとされています。256ビットAESのハードウェア暗号化に対応し、保証は3年です。

  • メリット: 10Gbpsのポートがあれば公表値に近い速度を出しやすい。防じん・防水と落下への強さがあり、持ち運びに向く

  • デメリット: 20Gbpsの環境があっても速度は10Gbpsまで。容量の選択肢は国や販売時期で違うため、購入前の確認が必要

  • 向いている人: Macを含む幅広いPCで使い、持ち運びの安心感を重視したい人

Samsung Portable SSD T7 ShieldをAmazonで確認する

2. Samsung Portable SSD T9(20Gbps)

Samsungの公式サイトとデータシートによると、T9はUSB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)に対応し、読み込みは最大2,000MB/sです。書き込みは1TBと2TBのモデルで最大1,950MB/sとされています。大きさは88×60×14mm、重さは122gで、容量は1TB・2TB・4TBがあります。最大2,000MB/sを出すには、PCとケーブルがGen 2x2に対応し、UASPモードが有効である必要があると注記されています。保証は5年です。

  • メリット: 対応環境では10Gbpsの製品のおよそ2倍の速度が出る。保証期間が5年と長い

  • デメリット: Gen 2x2に対応したポートがないPCでは速度を活かせない。T7 Shieldより重く、防じん・防水の等級は今回確認した公式情報では見つからなかった

  • 向いている人: Gen 2x2対応ポートのあるWindows PCで、大きな動画ファイルを頻繁に扱う人

Samsung Portable SSD T9をAmazonで確認する

3. SanDisk Extreme PRO Portable SSD V2(20Gbps)

販売店の仕様表によると、Extreme PRO Portable SSD V2はUSB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)に対応し、読み込み・書き込みとも最大2,000MB/sです。本体はアルミの筐体をシリコンで覆った作りで、カラビナを通せる穴があります。256ビットAESのハードウェア暗号化とパスワード保護に対応し、USB-C to CとUSB-C to Aの2本のケーブルが付属します。容量は1TB・2TB・4TBです。

  • メリット: 読み込みと書き込みの両方で最大2,000MB/sとされる。ケーブルが2種類付属し、USB-Aのポートにもつなげる

  • デメリット: 防じん・防水の等級や落下への強さは、販売店によってIP55・2mとIP65・3mの記載が混在しており、購入時期の仕様確認が必要。販売店の案内ではiPhone 15/15 Proには対応しないとされている

  • 向いている人: 対応PCで速度を活かしつつ、カバンに吊るして持ち運びたい人

SanDisk Extreme PRO Portable SSD V2をAmazonで確認する

3製品の比較

製品名規格読み込み(公表値)書き込み(公表値)重さこんな人向け
Samsung T7 Shield10Gbps最大1,050MB/s最大1,000MB/s98g幅広いPCで使いたい人
Samsung T920Gbps最大2,000MB/s最大1,950MB/s(1TB・2TB)122g大きな動画を扱う人
SanDisk Extreme PRO Portable SSD V220Gbps最大2,000MB/s最大2,000MB/s公式値を確認できず持ち運びも重視する人

数値はメーカーと販売店の公表値で確認した値です。実際の速度はPCやケーブル、ファイルの種類で変わります。

選び方のポイント

1. まずPCのUSBポートを確認する。 20Gbps(USB 3.2 Gen 2x2)のポートがなければ、10Gbpsの製品でも体感の差は小さくなります
2. ケーブルも規格に合わせる。 付属ケーブルを使うのが確実です。ケーブルの表記の見方はUSB認証ロゴとケーブル表記の読み方で解説しています
3. 用途で考える。 書類や写真のバックアップが中心なら10Gbpsで十分なことが多いです。バックアップの運用は外付けSSDでのバックアップでも紹介しています
4. 寿命の目安も見る。 書き込みの多い使い方なら、SSDのTBWやMTBFの読み方も参考にしてください

まとめ

対応するPCの幅広さと持ち運びの安心感を重視するならT7 Shield、Gen 2x2対応ポートのあるPCで速度を求めるならT9やExtreme PRO Portable SSD V2が候補です。20Gbpsの製品はPC側の対応が前提になる点に注意してください。仕様はメーカーと販売店の公表値で確認した値ですが、型番や販売状況、価格は変わるため、購入前に商品ページで最新の情報を確かめてください。

参考にした情報

  • Samsung「Portable SSD T7 Shield」製品ページとニュースリリース 確認日 2026-10-12

  • Samsung「Portable SSD T9」製品ページ、データシート、レビュー記事 確認日 2026-10-12

  • SanDisk「Extreme PRO Portable SSD V2」販売店の仕様表(B&H Photo、Newegg ほか) 確認日 2026-10-12