USB認証ロゴとケーブル表記の読み方とは?
デスクのUSB-Cケーブルが増えてくると、どれがどれだか分からなくなる。見た目は同じなのに、つなぐと外付けSSDが遅い、ノートPCが充電されない。そういう混乱の直接の原因は、ケーブル本体に「何ができるか」が書かれていないことである。
ここで拠り所になるのが、USB-IF(USB Implementers Forum)が定めた表記の決まりである。PC Watch の報道によれば、USB-IF は 2022年9月30日に、消費者向けの表記を性能そのものを書く方式へ切り替えると発表した。定められたのは次の4つである。
- USB 5Gbps(従来の USB 3.0 / 3.1 Gen1 相当)
- USB 10Gbps(従来の USB 3.1 Gen2 相当)
- USB 20Gbps(従来の USB 3.2 Gen2x2 相当)
- USB 40Gbps(USB4 Version 1.0 相当)
あわせて、ケーブルには電力側の表記も求められる。USB PD 3.1 に沿った 60W か 240W のどちらかである。つまり認証を通ったケーブルは、速度のGbpsと電力のWという2つの数字で性格が決まる。
一方で「SuperSpeed」「SuperSpeed Plus」といった言葉は、技術文書には残るものの、PC Watch の記事によれば「"仕様"は、技術表記としては残るものの、USB-IFでは消費者向けの製品名やメッセージ、パッケージ、コンテンツでは使わないようメーカー各社に求めている」という扱いになった。店頭やAmazonの商品名に SuperSpeed が出てきたら、それは現行のガイドラインに沿った表記ではない、という目印になる。
なお USB 2.0(最大480Mbps)の Hi-Speed 表記は、消費者に定着しているため今回の変更の対象外とされている。
メリット・デメリット
メリット
- 商品名に数字が出ていれば、Gen表記を覚え直さなくてよい。「USB 3.2 Gen2x2」と「USB 20Gbps」は同じことを指しており、後者はそのまま速度として読める
- 速度と電力が別々に書かれるので、「充電はできるがデータが遅い」ケーブルを見分けられる。40Gbps と 240W は別の話である
- USB-IF の認証を取得した製品は、その表記を自称ではなく試験で裏付けている。メーカーの商品ページに「USB IF(USB Implementers Forum)で認証された製品です」と明記されていれば、そこが確認できる
- eMarker(電力・速度の情報をケーブル自身が持つチップ)を積んだケーブルは、機器側が能力を読み取れる。240W対応をうたうケーブルはこれを内蔵している
デメリット
- 旧表記の在庫は当分なくならない。2022年のガイドラインなので、それ以前の製品や、切り替えに追随していないメーカーの製品は Gen 表記のままである
- 80Gbps(USB4 Version 2.0)のマーケティング名は、この発表の時点では示されていない。上位の帯域は表記がまだ揃っていない
- ケーブル本体に刻印があるとは限らない。ガイドラインはパッケージや広告での表記を求めるものなので、袋から出してしまうと結局分からなくなる
- USB4 の 40Gbps 対応と、映像出力の対応は別項目である。DisplayPort Alt Mode で何K何Hzまで出せるかは、速度表記からは読み取れない
- 認証の有無は商品ページの記載に頼るしかない。ロゴ画像は流用できてしまうので、疑わしい出品では確かめようがない
おすすめ製品の比較
注意: 以下は2026年9月20日にサンワサプライの公式製品ページで確認した仕様である。価格は変動するため、購入前に商品ページで最新の情報を確認してほしい。
| 型番 | 表記される速度 | PD | 長さ | 映像出力 | ケーブル径 / 重量 |
|---|---|---|---|---|---|
| KU-40GCCPE10 | USB40Gbps(USB4 Gen3) | 240W(48V/5A) | 1m | 8K60Hz(DisplayPort Alt Mode) | 4.8mm / 約47.8g |
| KU-20GCCPE10 | USB20Gbps(USB4 Gen2×2) | 240W(48V/5A) | 1m | 4K60Hz(DisplayPort Alt Mode) | 5.0mm / 約45.1g |
1. サンワサプライ KU-40GCCPE10
公式の製品名が「USB40Gbps(USB4 Gen3)Type-C ケーブル」となっており、新旧どちらの表記も併記されている。ここが今回の話の見本のような書き方で、Gbps を先に、括弧で Gen を添えるという順序になっている。
仕様は 1m・240W(DC48V/5A)対応で、DisplayPort Alt Mode により 8K60Hz の映像出力に対応する。三重シールド構造とピンの金メッキが公式ページに記載されている。USB認証取得品である。
デメリットとしては、1本で速度も電力も映像も最上位を満たすぶん、用途が限定される場面では過剰であることが挙げられる。マウスやキーボードをつなぐだけなら 480Mbps のケーブルで足りる。また長さが1mしかないので、デスク奥の電源から引き回す用途には届かないことがある。
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2. サンワサプライ KU-20GCCPE10
公式の製品名は「USB20Gbps(USB4 Gen2×2)Type-C ケーブル」。速度は 20Gbps、電力は 40Gbps 版と同じ 240W(48V/5A)である。ここが読み取りの勘どころで、速度が下でも電力は同じという組み合わせが実在する。ノートPCの充電が主目的で、データは外付けSSD程度という使い方なら、こちらで足りることになる。
映像は DisplayPort Alt Mode で 4K60Hz まで。公式ページには eMarker チップの内蔵と、従来の USB Power Delivery(20V/5A・100W)との互換も記載されている。USB認証取得品である点も同じである。
デメリットは、8K出力や 40Gbps の外付けストレージには届かないこと。将来 Thunderbolt 相当の機器をつなぐ予定があるなら、ここで節約すると買い直しになる。またケーブル径は 5.0mm で 40Gbps 版(4.8mm)より太く、取り回しは気持ち硬い。
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まとめ
買う前に決めるのは速度と電力のどちらが要るかである。ノートPCを1本で充電したいだけなら電力側(240W か 60W か)を見る。外付けSSDやドックをつなぐなら速度側(40Gbps か 20Gbps か 10Gbps か)を見る。両方が要る用途は実際にはそれほど多くない。
そして、商品名に「SuperSpeed」しか書かれていない製品は、現行の表記ガイドラインに沿っていない。Gbps と W が両方書かれているかを先に見ると、判断が速くなる。価格は変動するため、購入前にAmazonの商品ページで最新の情報を確認してほしい。
参照: PC Watch(USB-IF の新表記・2022年9月30日発表) / サンワサプライ KU-40GCCPE10 製品ページ / サンワサプライ KU-20GCCPE10 製品ページ