速いカードでも、読む側が対応しないと速度は出ない

カメラで撮った写真や動画をPCに取り込むとき、SDカードの速度は待ち時間に直結します。ただ、SDカードのパッケージには「UHS-II」「U3」「V90」「最大300MB/s」など複数の表記が並び、どれが何を表すのかわかりにくいものです。

しかも、UHS-II対応のカードを使っても、カードリーダーやカメラがUHS-IIに対応していなければ、その速度では読み書きできません。この記事では、UHS-IとUHS-IIの違いと速度表記の読み方を整理し、実在する3製品を公表仕様で比べます。

UHS-IとUHS-IIの違い

UHS-I・UHS-IIは、カードと機器のあいだのデータのやり取り(バス)の規格です。SDカードの規格を定めるSD Associationによると、違いは次のとおりです。

項目UHS-IUHS-II
バスの最大速度(規格値)104MB/s156MB/s(全二重)、312MB/s(半二重)
端子の列1列2列(2列目で高速な信号を使う)
速度が出る条件UHS-I対応の機器カードと機器の両方がUHS-II対応であること

UHS-IIのカードは端子が2列あるため、裏面を見ると見分けられます。UHS-I対応の機器でUHS-IIのカードを使うと、販売店の説明にもあるとおり使用はできても速度は上がりません。

速度表記の読み方(最低書き込み速度)

SD Associationの説明では、スピードクラスの記号に書かれた数字は最低書き込み速度を表します。

表記最低書き込み速度
C10(スピードクラス)10MB/s
U1 / U3(UHSスピードクラス)10MB/s / 30MB/s
V30 / V60 / V90(ビデオスピードクラス)30MB/s / 60MB/s / 90MB/s

パッケージに大きく書かれる「最大200MB/s」などの数字は、多くの場合読み出しの最大値で、最低書き込み速度とは別のものです。

メリット・デメリットの整理

  • UHS-IIのメリット: 対応するカメラとカードリーダーをそろえると、取り込みや連写後の書き込みを短くしやすい

  • UHS-IIのデメリット: 同じ容量のUHS-Iカードより選択肢が少ない。機器が非対応だと速度の利点がない

  • UHS-Iのメリット: 対応するカメラ、PC、カードリーダーが多く、選択肢が広い

  • UHS-Iのデメリット: 規格上のバスの上限は104MB/sで、これを超える速度はメーカー独自の方式と対応機器が必要になる

実在製品の仕様

1. サンディスク Extreme PRO SDXC UHS-I(SDSDXXDシリーズ)

価格比較サイトと複数の販売店の仕様表によると、Extreme PROのUHS-I版はU3・V30に対応するSDカードで、読み出しは最大200MB/sです。書き込みの最大値は容量によって異なり、256GBでは最大140MB/s、128GBでは最大90MB/sと掲載されています。販売店が転載しているメーカーの注記では、UHS-Iの104MB/sを超える速度は独自の技術によるもので、その速度に対応した機器が必要とされています。

  • メリット: V30に対応し、4K動画の撮影にも使いやすい。UHS-I対応の機器で幅広く使える

  • デメリット: 一般的なUHS-I対応のカードリーダーでは、最大200MB/sの読み出し速度は出ない。容量で書き込み速度が異なる

  • 向いている人: 手持ちのカメラがUHS-Iまでの対応で、4K動画も撮る人

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2. サンディスク Extreme PRO SDXC UHS-II(SDSDXEPシリーズ)

国内外の複数の販売店の仕様表によると、Extreme PROのUHS-II版は読み出しが最大300MB/sのSDカードで、ビデオスピードクラスは容量によってV60またはV90です。書き込みの最大値は販売店や型番の世代によって表記が異なるため、購入する容量の型番で確かめる必要があります。

  • メリット: UHS-II対応のカメラとカードリーダーをそろえると、UHS-Iの上限を超える速度で取り込める。V90の容量なら高ビットレートの動画撮影にも対応しやすい

  • デメリット: UHS-I対応の機器では速度の利点がない。容量や世代によってV60かV90か、書き込み速度がいくつかが変わる

  • 向いている人: UHS-II対応のカメラを使い、撮影後の取り込み時間を短くしたい人

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3. バッファロー BSCR510U3CSV(UHS-II対応カードリーダー)

バッファローの公式仕様書とプレスリリースによると、BSCR510U3CSVはUSB 3.2(Gen 1)のType-Cで接続するカードリーダーで、UHS-IIに対応し、最大転送速度は312MB/sと案内されています。SD用とmicroSD用の2つのスロットを備え、microSDをアダプターなしで差し込めます。ケーブルタイプで、外形寸法は約40×11×55mmです。仕様書には、著作権保護機能(ID機能など)には対応しないと記載されています。

  • メリット: USB-CのノートPCに変換なしでつなげ、UHS-IIのカードの速度を生かしやすい。SDとmicroSDのどちらにも対応する

  • デメリット: 接続はUSB Type-Cのため、Type-AだけのPCでは変換が必要。著作権保護機能には対応しない

  • 向いている人: UHS-IIのカードを使い、USB-CのノートPCで写真や動画を取り込む人

USB-C接続のカードリーダーはUSB-Cカードリーダーのおすすめでも比較しています。

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3製品の比較

製品名種類バス規格速度表記こんな人向け
サンディスク Extreme PRO(UHS-I)SDカードUHS-I読み出し最大200MB/s、U3・V30UHS-Iまでのカメラで4K動画も撮る人
サンディスク Extreme PRO(UHS-II)SDカードUHS-II読み出し最大300MB/s、容量によりV60またはV90UHS-II対応のカメラを使う人
バッファロー BSCR510U3CSVカードリーダーUHS-II対応最大312MB/s(案内値)USB-CのノートPCで取り込む人

速度はいずれも公表されている最大値または規格値で、実際の速度はカード、機器、ファイルの大きさや数によって変わります。

選び方のポイント

1. カメラの対応規格を先に確かめる。 カメラの仕様表に「UHS-II対応」とあるかを確認します。UHS-Iまでなら、UHS-IIのカードを選んでも撮影時の速度は上がりません
2. 動画を撮るならビデオスピードクラスを見る。 最低書き込み速度が足りないと、記録が追いつかない場合があります。カメラの説明書で推奨されるクラスを確かめます
3. カードリーダーもそろえる。 PCへの取り込み速度は、カード、カードリーダー、PCのUSB端子のうち最も遅いものに合わせて決まります
4. 取り込んだデータの置き場所も決める。 動画は容量が大きいため、外付けSSDの10Gbpsと20Gbpsの違いも参考に、保存先の速度もそろえると作業が滞りにくくなります

まとめ

UHS-Iまでのカメラを使っているなら、V30に対応したExtreme PROのUHS-I版が使いやすい選択肢です。UHS-II対応のカメラなら、Extreme PROのUHS-II版とBSCR510U3CSVのようなUHS-II対応カードリーダーを組み合わせると、取り込みの待ち時間を短くしやすくなります。仕様は公表値や販売店の仕様表で確認した値ですが、販売状況や価格は変わるため、購入前に商品ページで最新の情報を確かめてください。

参考にした情報

  • SD Association「Bus Speed」「Speed Class」解説ページ 確認日 2026-10-14

  • サンディスク「Extreme PRO SDXC UHS-I」価格比較サイトの仕様表、販売店の商品ページ 確認日 2026-10-14

  • サンディスク「Extreme PRO SDXC UHS-II」販売店の商品ページ(国内・海外) 確認日 2026-10-14

  • バッファロー「BSCR510U3CSV」公式仕様書、プレスリリース、報道記事 確認日 2026-10-14