HDMIキャプチャーでカメラをWebカメラにするとは?

Web会議の映りを良くしたいとき、最も効くのはカメラそのものを変えることです。ノートPC内蔵カメラのセンサーは指の爪ほどしかありませんが、家に眠っている一眼カメラやビデオカメラのセンサーはその何十倍もの面積があります。同じ照明でも、背景のボケ方と暗所での粒状感がまるで違います。

問題は、カメラのHDMI出力をPCがそのまま受け取れないことです。PCのHDMI端子はほぼ出力専用で、入力には使えません。ここを埋めるのがHDMIキャプチャーです。カメラのHDMI出力を受け取り、USB経由でPCに「カメラデバイス」として見せます。

重要なのはUVC(USB Video Class)対応という一点です。UVCに対応していれば、ZoomやTeamsのカメラ選択欄に普通のWebカメラと同じように現れます。専用ドライバも専用ソフトも要りません。ここで紹介する3機種はいずれもUVC対応です。

もう1つ、カメラ側の条件があります。クリーンHDMI出力、つまり撮影情報の表示が乗らない映像を出せる機種でなければ、会議相手の画面に絞り値やバッテリー残量が表示されます。手持ちのカメラが対応しているかは、購入前に必ず確認してください。

メリット・デメリット

メリット

  • センサーサイズが大きいカメラを使えるので、内蔵カメラでは出せない背景のボケと暗所性能が得られます。照明を足すより効果が大きい場合があります。

  • レンズを交換できます。画角を自分の部屋の広さに合わせられるのは、固定焦点のWebカメラにはできないことです。

  • UVC対応なのでドライバのインストールが不要です。会社支給のPCでソフトのインストールが制限されていても、多くの場合そのまま使えます。

  • 会議以外にも使えます。ゲーム機の画面録画、外部モニターの内容取り込み、機材の映像確認など、HDMIを出す機器なら何でも入力にできます。

デメリット

  • カメラの給電が別途必要です。 バッテリー駆動のカメラは会議の途中で切れます。ACアダプタかダミーバッテリーを用意するのが前提で、この費用と配線が地味に効きます。

  • HDMIケーブルが1本増えます。デスク上のケーブルが減ることはありません。

  • カメラ側の自動電源オフ設定を切る必要があります。撮影していない状態が続くと勝手に電源が落ちる機種があります。

  • 内蔵カメラより起動の手数が増えます。カメラの電源を入れて、モードを合わせて、という手順が毎回発生します。「すぐ会議を始めたい」ときには内蔵カメラのほうが速い、というのは正直に言っておきます。

選ぶときに見るのは対応解像度とUSB規格

この用途で仕様表を細かく読む必要はありません。見るのは対応入力解像度USBの規格、それにパススルー出力の有無の3つです。

対応解像度は「高いほど良い」ではありません。Web会議で送られる映像は、そもそも1080p以下に圧縮されます。 4K入力に対応していても、会議相手に届く画質は上がりません。4Kが効くのは、録画して後で編集する場合です。

USB規格は接続の安定性に関わります。USB 3.0を要求する機種は、USB 2.0のポートに挿すと認識しないか、解像度が制限されます。ノートPCの空きポートがどの世代かを先に見てください。

パススルー出力は、キャプチャーを通した映像を別のモニターへ素通しする機能です。会議用途では優先度が低い項目ですが、カメラのプレビューを大きく見たい場合には効きます。

以下の3機種は、いずれもメーカー公式ページで仕様を確認し、Amazon.co.jpでの取り扱いも確認したものです。

おすすめ製品の比較

製品名特徴こんな人向け
Elgato Cam Link 4K4K30/1080p60対応、20g、USB 3.0必須カメラの画質を最大限使いたい人
AVerMedia Live Gamer MINI GC3111080p60、USB 2.0接続、パススルー付きUSB 2.0しか空いていない人
IODATA GV-HUVC1080p60、国内メーカー、後継機あり国内サポートを重視する人

1. Elgato Cam Link 4K

USBメモリほどの大きさで重量20g、寸法は8.1×1.2×3.1cmです。入力は暗号化なしのHDMIで、対応解像度は4K60(MJPGのみ)、4K30、1080p60、1080p30、720p60、720p30、576p50、480p60と公式に記載されています。付属品は30cmのUSB 3.0 A-to-C延長ケーブルです。

接続にはUSB 3.0ポートが必須です。 これが実質的な選定条件になります。システム要件はWindows 10(64ビット)以降、CPUはIntelまたはAMDと記載されています。USB 2.0ポートしか空いていない環境ではこの機種は選べません。

Elgatoは自社サイトでカメラの互換性チェックページを用意しています。手持ちのカメラが使えるかを購入前に型番で確認できるので、まずそこを見てください。HDMIケーブルは付属しません。

会議用途に限れば4K対応は過剰ですが、同じ機材で録画も回したい人には意味があります。20gという軽さは、カメラのホットシューに小物を足したくない場面でも効きます。

Elgato Cam Link 4KをAmazonで確認する

2. AVerMedia Live Gamer MINI GC311

AVerMedia史上最小のゲームキャプチャーとされる製品で、USB 2.0接続である点がこの記事の文脈では最大の特徴です。Cam Link 4KがUSB 3.0を要求するのに対し、こちらはUSB 2.0で動きます。空きポートの世代を気にしなくてよいのは、ノートPC1台で運用している人には実際的な利点です。

フルHD(1080p/60fps)の遅延ゼロHDMIパススルーを備え、ハードウェアエンコードを内蔵しています。エンコードをこのデバイス側で行うため、PCのCPU負荷を抑えられます。会議アプリと資料アプリを同時に動かす環境では、この差が体感に出ることがあります。UVC・UAC対応でプラグアンドプレイです。

弱点は解像度の上限が1080pであることです。会議だけなら困りませんが、4K素材を残す用途には向きません。またメーカーは、他社製の映像変換コンバーターやスプリッタと併用した場合の動作は保証しないと明記しています。既存の分配器を挟む構成を考えている場合は注意してください。

WindowsとMacの両方に対応します。

AVerMedia Live Gamer MINI GC311をAmazonで確認する

3. IODATA GV-HUVC

アイ・オー・データのUVC対応HDMI-USB変換アダプターです。最大解像度は1920×1080(1080p@60fps)と公式に明記されています。WindowsとMacの両方で「カメラデバイス」として認識され、SkypeやQuickTime Playerといったサードパーティのアプリからも使えます。

この機種を挙げる理由は国内メーカーのサポート体制ですが、購入前に知っておくべきことが1つあります。公式サイトの型番表では、GV-HUVCは在庫限りで、後継品としてGV-HUVC/4KVが案内されています。 標準価格は22,440円(税抜20,400円)と記載されていました。今から新規に買うなら、後継機や、2mのUSBケーブルが付属するGV-HUVC/Sも含めて見比べたほうがよいということです。Amazon.co.jpでは同社の系列製品が複数並んでいるので、型番を正確に確認してから選んでください。

公式サイトにはOBS Studio、XSplit Broadcasterでの動作確認結果が掲載されています。ただしメーカーは、独自検証であり全ての動作を保証するものではないと注記しています。

IODATA GV-HUVCをAmazonで確認する

まとめ

3機種の性格ははっきり分かれます。

初めて試すなら、USB 2.0で動くAVerMedia Live Gamer MINI GC311が無難です。PCのポート世代を調べる手間がなく、会議に必要な1080p60を満たします。

コスパで選ぶなら、手持ちのPCにUSB 3.0ポートがあるかどうかで決まります。あるならCam Link 4Kは軽くて小さく、後から録画用途にも回せます。ないならGC311しか選択肢がありません。

高機能を求めるなら、4K30まで受けられるCam Link 4Kです。ただし繰り返しになりますが、Web会議の相手に届く画質は4Kにしても上がりません。4Kが意味を持つのは録画・編集を伴う場合だけです。

国内サポートを重視するならIODATAですが、GV-HUVCは在庫限りの表記があるため、後継のGV-HUVC/4KVを含めて現行品を確認してから買ってください。

いずれの機種でも、カメラ側のクリーンHDMI出力対応と給電手段の確保が先です。ここが整っていないと、どのキャプチャーを買っても会議では使えません。価格は変動しますので、購入前にAmazonの商品ページで最新の価格と型番をご確認ください。