吸音パネルと卓上ブースの選び方 在宅会議の反響と声漏れ対策とは?

在宅でWeb会議をしていて「自分の声が相手側で反響して聞き取りにくいと言われる」「隣の部屋に話し声が漏れる」と感じることがあります。この2つは似ているようで原因が別で、対策も別です。

  • 反響(残響): 壁・床・窓などの硬い面で音が跳ね返り、マイクに直接音と反射音が重なって入る。これは吸音で減らせます

  • 声漏れ: 音そのものが壁やドアを通り抜けて外へ届く。これは遮音の領域で、質量のある壁や建具が要ります

吸音パネルや卓上ブースが効くのは前者の反響で、後者の声漏れは大きくは減りません。 家具として置ける製品で「防音」と書かれていても、実際に効くのは反射音の低減が中心です。ここを取り違えると「買ったのに家族に聞こえたまま」という結果になります。

なお吸音材は一般に高い周波数ほどよく効き、低い音(空調のうなり、階下の足音など)はほとんど減りません。人の話し声の明瞭度に効く帯域が得意分野、と考えると実態に近くなります。

メリット・デメリット

メリット

  • 工事なしで導入できる。卓上ブースは机に置くだけ、フェルトパネルは壁に貼るだけで、賃貸でも取り入れやすい

  • 反射音が減ると、マイクが拾う音が整理される。ノイズ抑制ソフトに頼る前の土台として効く

  • 視界を遮る効果が同時に得られる。会議中に背後が映り込む問題や、集中の妨げにも同時に効く

  • 折りたたみ式の卓上タイプなら、使わないときに片付けられる

デメリット

  • 声漏れ(遮音)はほとんど改善しない。家族に聞こえる問題の解決にはならない

  • 低い周波数には効きにくい。空調音や生活音全般が静かになるわけではない

  • 卓上ブースは机の面積を大きく食う。W600mm級でもモニターやノートPCと取り合いになる

  • 本格的な床置きブースは価格・設置スペースともに個人向けとは言いがたい水準になる

  • 布・フェルト素材はホコリが乗りやすく、掃除の手間が増える

おすすめ製品の比較

製品名特徴こんな人向け
サンワサプライ SPT-DPB6060W600×D500×H600mm・2.5kg・置くだけ・折りたたみ可机の上だけで完結させたい人
フェルメノン 吸音パネル厚さ9mmのフェルトボード・壁面に直接施工部屋の反響そのものを減らしたい人
REMUTE デスクブース GTEC143W685×D685×H705mm・3.1kg・配線取り込み口3か所机の上に会議スペースを作りたい人
サンワサプライ SPT-PB002H1600mmパネル6枚セット・ノックダウン組立部屋の一角を区切りたい人

1. サンワサプライ SPT-DPB6060 卓上パーティションブース

サンワサプライの公式製品ページによると、サイズはW600×D500×H600mm、重量2.5kg、素材はPET(フェルト)です。デスクの上に広げて置くだけで設置でき、使わないときは折りたたんで収納できます。同社は「吸音効果のあるパネルなので、周囲の目線だけでなく物音も遮ることができます」と説明しています。

メリットは、工具も固定も不要で、必要なときだけ展開できる点です。2.5kgは片手で動かせる重さではないものの、毎日たたむ運用にも耐えます。

デメリットは占有面積です。奥行500mmは一般的な奥行600〜700mmの机だとほぼ手前まで来るため、モニターアームで画面を浮かせるなど、机上の再設計が要ることがあります。また三方を囲う形なので、背後からの音(ドア側など)には向きを工夫しないと効きません。価格は変動するため、購入前に最新の価格を確認してください。

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2. フェルメノン 吸音パネル フェルト

ドリックスのフェルメノンは、100%ポリエステル繊維をニードルパンチ加工で高密度の板状に成型した硬質吸音フェルトボードです。公式サイトは厚さ9mmで、吸音率を1000Hzで50%、2000Hzで86%と公表しています。接着剤を使わない製造で低ホルムアルデヒド、日本防炎協会の防炎性能試験に適合、カッターで加工可能という点も公式に記載があります。

メリットは、机まわりではなく部屋そのものの反響に効くことです。卓上ブースが口元まわりだけを囲うのに対し、壁面に貼れば声の跳ね返り全体が減ります。9mmと薄いので部屋が狭くなりにくく、カッターで切れるので中途半端な壁面にも合わせられます。

デメリットは、壁に貼る以上、賃貸では現状復帰の方法を先に決めておく必要があることです(マグネット式や、画鋲・ピンで留められる下地を別途用意するなど)。また前述のとおり吸音材全般の性質として低域は苦手で、上記の公称値も1000Hz以上の帯域のものです。「部屋が静かになる」ではなく「声の響きが落ち着く」と捉えるのが正確です。

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3. REMUTE デスクブース GTEC143

山善ビズコムが扱うリス(RISU)のREMUTEデスクブースは、本体サイズ幅68.5×奥行68.5×高さ70.5cm、重量3.1kg、材質は本体がPP、不織布がポリエステル、原産国は日本と公表されています。工具不要で組み立てられ、配線の取り込み口が3か所ある点が特徴です。

メリットは、SPT-DPB6060より一回り大きく、高さ70.5cmで頭の高さまで囲える点です。配線口があるので、モニターや電源ケーブルを通したまま設置できます。パネル本体がPPなので、フェルト単体の製品より形が保たれます。

デメリットは、奥行685mmという寸法です。奥行600mmの机には収まりません。机の寸法を測ってから選ぶ必要があります。また吸音を担うのは不織布部分なので、硬いPP面での反射は残ります。価格は販売店により幅があり変動するため、最新の価格を確認してください。

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4. サンワサプライ SPT-PB002 パーティションブース

机の上ではなく、部屋の一角を区切る方向の製品です。サンワサプライの公式ページによると、パネル1枚あたりW500×D30×H1600mm・5.5kg、張地は布・芯材はPET(フェルト)、1セット6枚入りで、ノックダウン組立式(客先組立)・ファスナー連結です。

メリットは、高さ1600mmという寸法です。座った状態の頭よりかなり高く、背後や側面からの反射を机上ブースより広い範囲で抑えられます。6枚をファスナーで連結するので、コの字でもL字でもレイアウトを変えられます。

デメリットは率直に言って規模と価格です。公式の税込価格は17万円台で、1枚5.5kg×6枚の設置スペースも要ります。個人の在宅ワーク環境に対しては明らかに過剰で、法人のオフィスや、部屋を1つ会議専用に割り当てられる場合の選択肢です。ここでは「卓上で足りないときにこういう方向がある」という比較の基準として挙げています。

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選び方のポイント

1. 解決したいのが反響か声漏れかを先に決める。声漏れなら、この記事の製品群では解決しません。ドアの隙間テープや、そもそも部屋を変えるほうが現実的です
2. 机の実寸を測る。卓上ブースは奥行500〜685mmを占有します。モニターの設置位置ごと考え直す前提で選びます
3. 口元に近いほど効く。同じ面積なら、部屋の隅に貼るより、机の前後左右を囲うほうが会議の音質には効きます
4. マイク側の対策と併用する。単一指向性マイクを口元に近づける、ヘッドセットを使う、といった手段のほうが費用対効果は高い場合があります。吸音はその土台を整える役割です

読者タイプ別のまとめ

  • まず試したい: 卓上タイプのSPT-DPB6060。置くだけで、効果が薄ければ畳んで戻せます

  • 部屋の響きから直したい: フェルメノンのフェルトボードを壁面に。厚さ9mmで場所を取りません

  • 囲いをしっかり作りたい: REMUTE GTEC143。ただし奥行685mmが置ける机か先に確認します

  • 部屋の一角を会議用に区切れる: SPT-PB002。個人には過剰ですが、規模が要るならこの方向です

価格・在庫はいずれも変動します。購入前にAmazonやメーカー公式で最新の価格と寸法を確認してください。