「MX Master 3S から買い替える価値があるのか」。MX Master 4 を前にして、多くの人が引っかかるのはこの一点だと思います。見た目はほとんど変わらず、スクロールホイールもセンサーも据え置きだからです。

結論を先に書くと、変わったのは手に返ってくる情報の量です。ただしその新機能は専用ソフトを入れていることが前提で、入れない場合は「3S に接続性の改良を足したマウス」に近い買い物になります。本記事では、公式が挙げている変更点と、そこから読み取れるデメリットを分けて整理します。

MX Master 4で実際に変わった3点

ロジクール公式は MX Master 4 を「6年ぶりのフルモデルチェンジ」と位置づけています。型番は MX2400 系(MX2400GR / MX2400GRd / MX2400PG など)で、Amazon.co.jp 限定モデルは MX2400GRd です。

触覚フィードバック

親指エリアに触覚フィードバックが入りました。特定の操作・ショートカット・通知に応じて振動が返る仕組みで、公式は「グリッドへの画像のスナップ、通知、デスクトップの切り替え、スライダー調整」を例に挙げています。振動の内容と強さは Logi Options+ でカスタマイズでき、サードパーティーアプリ向けのプラグインも追加できます。

Actions Ring

親指エリアの Actions Ring ボタンを押すと、8つのショートカットがリング状に表示され、カーソルを合わせるだけで実行できます。公式は自社の Ergo ラボによる2025年の調査を挙げ、37人の MX Master ユーザーが8種類のデスクトップ操作を行ったテストで作業時間を最大33%短縮したとしています。ただし公式自身が「結果はショートカットの割り当てによって異なる場合があります」と注記しており、割り当てを詰めていない状態で同じ数字が出るとは限りません。

無線の接続性が2倍

USB Type-C 接続の Logi Bolt レシーバーに変わり、IC チップの改良とアンテナ位置の変更で、MX Master 3/3S と比較して2倍強固なワイヤレス接続になったとしています。米国連邦情報処理基準(FIPS)に準拠した設計であることも公式が明記しています。

一方、MagSpeed 電磁気スクロール(1秒に1,000行)、静音クリック、ガラス面も追える 8,000 DPI の Dark Field センサー、FLOW、Easy-Switch、最長70日のバッテリー(1分充電で3時間使用)は 3S から引き継ぎです。ここが据え置きである点が、買い替えの判断を難しくしています。

購入前に知っておきたいデメリット

目玉機能は Logi Options+ が入っていないと使えない

触覚フィードバックのカスタマイズには Logi Options+(Windows / macOS 用)が必要だと公式が明記しています。Actions Ring も同アプリの新機能です。業務PCに管理者権限がなく、常駐ソフトを自由に入れられない環境では、価格差のぶんの機能がそのまま使えません。 買う前に、自分のPCにこのアプリを入れられるかを確認しておくべきです。

Unifying 非対応で、既存レシーバーを流用できない

接続は Logi Bolt と Bluetooth で、Unifying には対応しません。手元に Unifying レシーバーを挿したままのデスクトップがある場合、そのUSBポートは空けることになります。付属レシーバーが USB Type-C なので、Type-A しかないPCでは変換が別途必要です。

3S からの乗り換えは効果が読みにくい

上に書いたとおり、センサー・スクロール・静音クリック・電池持ちは 3S と同じです。日常の操作感そのものは大きく変わりません。 触覚フィードバックと Actions Ring を実際に設定して使う人でなければ、体感できる差は接続の安定性にとどまる可能性があります。

価格

ロジクール公式ストアでの表示は 21,890円(税込)で、保証年数によって 18,905円からの価格帯が示されています(2026年8月30日時点)。3S より高い枠にあります。価格は変動するため、購入前に必ず販売ページで確認してください。

比較の候補

* Logicool MX MASTER 4
触覚フィードバックと Actions Ring を搭載した最新世代。Logi Options+ を入れて設定を詰められる人向けです。汚れや傷に強い素材と、左右クリックの透明プレートで質感の劣化を抑える設計になっています。
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* Logicool MX Master 3S
センサー・スクロール・静音クリックは 4 と同じで、価格は下の枠です。専用ソフトを入れない運用なら、実用上の差はほとんどありません。公式ストアでは Bluetooth edition が 17,820円(税込)で並んでいます。
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* Logicool MX ERGO S
マウスを動かさずに操作したい人向けのトラックボール。ロジクールは人間工学デザインにより前腕の筋肉緊張を27%軽減するとしています。デスクが狭い、あるいは手首を動かしたくない場合はこちらが合います。
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* Logicool MX Keys S
同じ Master シリーズのキーボードで、Logi Options+ の設定を共有できます。公式ストアの表示は 21,780円(税込)です。マウスと合わせて Easy-Switch でデバイスを切り替える運用にすると、機能の重なりが活きます。
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まとめ

MX Master 4 が向くのは、Logi Options+ を入れられて、ショートカットの割り当てを自分で詰める人です。公式が挙げた33%短縮という数字も、割り当て次第だと公式自身が断っています。裏を返せば、設定せずに使うなら 3S との差は接続の安定性が中心になります。

手首の負担が主な悩みなら、世代を上げるより MX ERGO S のようにデバイスの型を変えるほうが効きます。会社支給のPCで常駐ソフトを入れられない人は、価格の下がった 3S を選ぶほうが無駄がありません。

なお本記事の仕様はロジクール公式サイトと Amazon.co.jp の商品ページ(2026年8月30日確認)に基づきます。価格は変動するため、購入前に必ず販売ページで最新の表示を確認してください。