在宅と出社を行き来する働き方だと、マウスに求めるものが変わります。持ち運べる大きさであること、机以外の場所でも動くこと、会議中にクリック音が響かないことです。ロジクールの MX ANYWHERE 3S は同社フラッグシップ「MXシリーズ」の小型モデルで、2023年6月8日に発売されました。希望小売価格は 13,970円(税込) です。

先に結論を書くと、この製品は持ち運びを前提にした人向けで、据え置きで1日中使う人には小さすぎます。サイズは 65mm × 100.5mm × 34.4mm(幅×奥行×高さ)、重量は電池込みで 99g です。以下、公表されている数字で判断材料を並べます。

MX ANYWHERE 3S で何ができるのか

サイズ65×100.5×34.4mm・重量99g

公表値は 65mm × 34.4mm × 100.5mm(幅×高さ×奥行)、99g(電池含む) です。

この数字は、同社の据え置き向け MX MASTER シリーズと比べると明確に小さい部類です。カバンのポケットに入れて持ち歩くことを想定した寸法で、そのぶん手のひら全体を預ける形にはなりません。「小さい」はこの製品の設計意図であって、欠点として設計されたものではありません。ただし手の大きさによっては、これがそのまま合う・合わないになります。

センサーは8,000DPI

公表値は 8,000 DPI です。DPI が高いほど、マウスを少し動かしたときにポインタが大きく動きます。

在宅ワークの文脈で効くのは、4Kモニターや複数モニターを使っているときです。画面が広いほどポインタの移動距離が伸びるので、DPI を上げられると手首の動きが減ります。逆に、フルHD1枚だけなら 8,000 DPI を使い切ることはありません。解像度と枚数が少ないなら、この数字は選ぶ理由になりません。

静音クリック

ロジクールは前モデル MX ANYWHERE 3 と比較して「クリック音がとても静かになりました」と説明しています。

これは在宅ワークでは実用的な差です。マイクを机に置いて会議をすると、クリック音は思ったより相手に届きます。同居している家族がいる部屋で夜に作業する場合も効きます。ただし静音は「無音」ではありません。ホイールの音やマウスを持ち上げて置く音は残ります。

MagSpeed 電磁気スクロール

スクロールホイールは MagSpeed 電磁気スクロールで、1秒間に1,000行のスクロールが可能と説明されています。ホイールを勢いよく回すと高速モードに切り替わる仕組みです。

長い表計算やコードを上下する作業では効きます。逆に、短い文書しか扱わないなら、体感差はほとんどありません。

接続はワイヤレス(Logi Bolt 対応)

Logi Bolt に対応します。ただし後述するとおり、USBレシーバーは別売です。

Smart Actions に対応

ロジクール初のマクロ機能として案内されている Smart Actions に対応します。同時発表の MX KEYS S も対応製品なので、キーボードと揃えると設定を共通で扱えます。

カラーはグラファイトとペイルグレーの2色

本体色は グラファイト / ペイルグレー の2色展開です。

購入前に知っておきたいデメリット

USBレシーバーが別売

もっとも注意が必要な点です。プレスリリースには接続について 「Logi Bolt対応、USBレシーバーは別売」 と明記されています。

つまり、Bluetooth で繋ぐぶんには本体だけで足りますが、レシーバー経由で使いたい場合は追加の出費と手配が必要です。Bluetooth に対応していない業務用PCや、BIOS 画面など OS が起動する前の操作をしたい場面ではレシーバーが要ります。「箱を開ければすぐレシーバーで繋がる」と思って買うと、その場で使えません。同時発表の MX KEYS S にはレシーバーが同梱されており、扱いが違います。

99g・幅65mmは手の大きい人には小さい

65mm × 100.5mm は小型マウスの寸法です。手を被せて使う「かぶせ持ち」をする人、特に手が大きい人には合いません。指先だけで操作する「つまみ持ち」に近い形になります。

1日中使うマウスは、持ち方が合わないと手首や指の負担が蓄積します。持ち運ぶ用途がないのにこのサイズを選ぶ理由は薄いです。同社にはより大きい MX MASTER 系や、負担を減らす形状の縦型・トラックボールがあります。用途が据え置きなら、そちらを比較対象に入れてください。

13,970円は小型マウスとしては高い

希望小売価格は 13,970円(税込) です。持ち運べる小型ワイヤレスマウスは、2,000円前後から存在します。

差額が何に対する支払いかというと、8,000DPIセンサー、MagSpeed スクロール、静音クリック、Smart Actions、複数機器の切り替えです。モニターが1枚で、会議中のクリック音も気にならない環境なら、この差額を回収できません。

Logi Bolt は Unifying と互換がない

Logi Bolt はロジクールの業務向け無線規格で、以前の Unifying とは別物です。手元に Unifying レシーバーがあっても Logi Bolt 機器は繋がりません。既存のロジクール製キーボードとレシーバーを1本にまとめたい場合は、そちら側も Logi Bolt 対応かを確認してください。

8,000DPI は環境が追いつかないと意味がない

DPI の数字は、使う画面の広さとセットでしか意味を持ちません。フルHD1枚の環境では、8,000DPI を設定しても操作しづらくなるだけです。この数字を買う理由にするなら、4Kや複数枚のモニターを実際に使っていることが前提になります。

静音でも操作音がすべて消えるわけではない

クリック音は静かになっていますが、ホイールの回転音、机に置く音、ケーブルを挿す音は残ります。会議で完全に無音にしたいなら、マウスの選択だけでは解決しません。マウスパッドやマイクの位置も合わせて調整する必要があります。

買うかどうかの判断基準

  • 買う価値がある人: 出社と在宅でマウスを持ち運ぶ。4Kや複数モニターで画面が広い。会議中のクリック音を減らしたい。キーボード側も MX シリーズで揃えて Smart Actions を使いたい。

  • 買わなくてよい人: 据え置きで1日中使う人(手の大きい人はとくに)。モニターがフルHD1枚の人。レシーバー接続が必須で、別売と知らずに買う人。予算を抑えたい人。

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出典・確認日

  • ロジクール プレスリリース(発売日2023年6月8日・希望小売価格13,970円・8,000DPI・重量99g・サイズ・静音クリック・MagSpeedスクロール・USBレシーバー別売・Smart Actions・カラー): https://press.logicool.co.jp/ja-jp/mxanywhere-3s-mxkeys-s/

確認日: 2026-09-02。価格・在庫・実売は変動します。購入前にAmazonおよびメーカー公式で最新の条件を確認してください。