左手デバイス(マクロパッド)おすすめとは?

動画編集やイラスト制作をしていると、右手はマウスかペンでふさがっている。カット、取り消し、ブラシサイズの変更、レイヤーの切り替え。どれもショートカットで呼べるが、左手を毎回キーボードの正しい位置へ戻す必要がある。この「戻す」動作が、回数を重ねると効いてくる。

左手デバイス(マクロパッド)は、左手を置いたままにできる小型の入力装置である。ボタンやダイヤルに操作を割り当て、アプリごとに切り替える。キーボードのショートカットを覚え直す必要はなく、すでに知っているショートカットを押しやすい位置に置き直す装置だと考えると用途がはっきりする。

近年はWeb会議のミュートや画面共有の切り替え、配信のシーン切り替えといった用途でも使われる。作業内容が「短い操作を何度も繰り返す」形になっているほど効果が出る。

メリット・デメリット

メリット

  • 左手の位置が固定されるので、視線をキーボードへ落とす回数が減る。作業の流れが切れにくくなる

  • アプリごとにプロファイルを切り替えられる製品が多く、編集ソフトと会議アプリで同じボタンに別の機能を割り当てられる

  • 液晶キーやダイヤルを持つ製品では、いま何が割り当てられているかが見えるので、覚えていなくても使える

  • ショートカットが無い操作でも、複数キーの組み合わせをまとめて1ボタンにできる

デメリット

  • 設定に時間がかかる。買った日から速くなるわけではなく、割り当てを詰める作業が要る

  • 割り当てを詰めすぎると、どのボタンが何だったか分からなくなる。結局よく使う数個しか押さなくなりやすい

  • デスクの奥行きを占有する。キーボードの左に置く余地が無いと導入できない

  • 専用ソフトの常駐が要る製品が多い。対応OSと、業務PCでソフトを入れられるかを先に確認する必要がある

  • 価格帯が広く、上位機は数万円になる。使いこなせるかを試す前に高い機種を買うと損失が大きい

おすすめ製品の比較

注意: 世代や同梱内容によって仕様が異なる。以下は製品の位置づけの整理なので、購入前に商品ページで対応OS・キー数・付属ソフトの対応アプリを確認してほしい。価格は変動する。

1. Elgato Stream Deck MK.2

各キーが小さな液晶になっていて、割り当てた機能のアイコンがそのまま表示される方式の製品である。押す前に何が割り当てられているか見えるので、覚えなくても使えるのが最大の特徴になる。

配信用途から広まった製品だが、実際にはアプリの起動、定型文の入力、フォルダを開く、といった一般的な作業でも使える。プラグインで拡張する仕組みがあり、対応アプリが多いのも選択理由になる。

向くのは、割り当てたい操作が多く、しかも用途ごとに切り替えたい人である。逆に、割り当てが3〜4個で固定なら、液晶キーの利点はあまり効かない。

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2. TourBox Elite

ボタンだけでなく、ダイヤル・ノブ・スクロールといった回す操作を備えた製品である。ブラシサイズ、タイムラインの移動、露出やコントラストのように、連続した値を調整する操作に向く。

ボタンで段階的に変えるのと、回して連続的に変えるのとでは、作業の感覚が違う。イラストや写真の現像のように、値を行き来しながら決める作業では回す操作のほうが速い。逆に、決まった機能を呼ぶだけならボタン式で足りる。

自分の作業が「呼ぶ」寄りか「調整する」寄りかで、この製品と液晶キー方式のどちらが合うかが決まる。

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3. ロジクール MX Creative Console

キーパッドとダイヤルの2つで構成される製品で、上の2方式の中間にあたる位置づけである。同社の入力機器やソフトウェアとまとめて運用したい場合に選びやすい。

このクラスを選ぶときに見るべきは、自分が使う編集ソフトが公式に対応しているかである。対応していれば、初期プロファイルがそのまま使えるので設定の手間が大きく減る。対応していない場合は、汎用のキー割り当てとして使うことになり、他社製品との差が小さくなる。商品ページかメーカーサイトの対応アプリ一覧を先に見ておきたい。

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まとめ

用途別に整理する。

  • 割り当てたい操作が10個以上あり、用途ごとに切り替えたい — 液晶キー方式。何が割り当てられているかが見えることの価値が大きい

  • ブラシサイズや露出など、連続した値を調整する作業が多い — ダイヤル・ノブを持つ製品

  • 使っている編集ソフトが公式対応しているか確かめられる — 対応していれば初期プロファイルで設定の手間が減る

  • 割り当てたい操作が3〜4個で固定 — 左手デバイスまで要らない。前述のUSBフットスイッチや、キーボードのキー入れ替えソフトで足りることが多い

導入で失敗しやすいのは、買ってすぐ全部のボタンを埋めようとすることである。最初は3個だけ割り当てて1週間使い、実際に押したものを残して増やしていくほうが定着する。設定が重荷になって使わなくなるのが、この種の道具で最も多い失敗である。

なお価格は時期によって変動する。掲載しているのは製品の位置づけであり、購入前に商品ページで最新の価格と仕様を確認してほしい。