リフレッシュレートが上限まで選べないとき、疑う場所
モニターの仕様には144Hz対応と書いてあるのに、Windowsのディスプレイ設定で60Hzまでしか選べない。4Kにした途端に選択肢が減る。作業中にときどき画面が一瞬暗転する。こうした症状は、モニターやグラフィックボードではなくケーブルが帯域を満たしていないときにも起きます。
HDMIと同じで、DisplayPortもコネクタの形は変わらないまま規格だけが更新されてきました。見た目では区別が付かず、しかも「映るには映る」ため、原因として最後まで疑われません。ここで一度だけ規格を整理しておくと、切り分けの時間を減らせます。
Ver1.4が扱える帯域
DisplayPort Ver1.4 は HBR3 を採用し、総帯域幅は最大32.4Gbpsです。この帯域で 8K/60Hz や 4K/120Hz の表示に対応します。あわせて HDR と、映像を圧縮して帯域を節約する DSC(Display Stream Compression)に対応しており、下位規格との互換性も保たれます。
ここで注意したいのは、ケーブルだけを上げても上限は変わらないという点です。DisplayPort Ver1.4 の解像度とリフレッシュレートを使うには、PC側の出力端子とモニター側の入力端子の両方が同じ規格に対応している必要があります。ケーブルは3つのうちの1つでしかありません。
もう1つ、パッケージの「8K対応」という表記と、VESAの認証を取得しているかは別の話です。認証品は規定の試験を通しているため、表記だけの製品より切り分けの根拠になります。ノイズ耐性のために三重シールド、接点の劣化対策に金メッキといった処理が施されているものが多く、これも安定性に効きます。
メリット・デメリット
#### メリット
- 32.4Gbpsの帯域があるため、4K/120Hz や 8K/60Hz といった上位の設定が選べる
- 認証品は表示の裏付けがあるので、映らない・チラつくときにケーブルを容疑者から外せる
- 下位互換があるため、古いモニターにそのまま挿しても問題なく使える
#### デメリット
- PC側とモニター側の両方が対応していなければ、ケーブルを替えても上限は上がらない
- 一般的なハイスピードHDMIケーブルより価格が高い
- 4K/60Hz までしか使わない環境では、体感できる違いが出ない
HDMIとDisplayPortをどう使い分けるか
在宅の作業環境でどちらを選ぶかは、繋ぐ相手で決まります。PCとPC用モニターの1対1なら DisplayPort が扱いやすく、テレビやゲーム機、AVアンプが混ざるなら HDMI のほうが融通が利きます。DisplayPort にはロック機構(爪)が付いた製品が多く、モニターアームで頻繁に角度を変える環境では抜けにくいという実用上の利点もあります。
一方で、この爪は抜くときにラッチを押す必要があるため、知らずに引っ張るとコネクタを傷めます。頻繁に抜き差しする用途では、ラッチのない製品を選ぶ手もあります。
おすすめ製品の比較
| 製品名 | 特徴 | こんな人向け |
|---|---|---|
| サンワサプライ KC-DP1410 | Ver1.4認証・8K/60Hz対応・1m | モニターアームでPCの近くに置く人 |
| サンワサプライ KC-DP1420 | Ver1.4認証・8K/60Hz対応・2m | デスク下のPCから引き回す人 |
1. サンワサプライ KC-DP1410
DisplayPort Ver.1.4 の認証を取得した1mのケーブルです。8K/60Hz に対応し、HDR と DSC にも対応します。長さが1mなので、モニターアームでPCを近くに置く配置や、デスク上でPCとモニターが隣り合う環境に向きます。短いぶん配線が余らず、ケーブルの取り回しがすっきりします。
逆に、デスク下にPCを置く一般的な配置では1mでは届かないことが多いので、購入前に実際の経路の長さを測ってください。ケーブルは経路に沿って回すため、直線距離より2割ほど長く見積もると失敗しません。
2. サンワサプライ KC-DP1420
同じく Ver.1.4 認証で、長さが2mのモデルです。8K/60Hz・HDR・DSC 対応という仕様は1m版と同じで、違いは長さだけです。デスク下のPCからモニターまで引き回す、デスクの裏を通す、といった一般的な配置ではこちらが標準になります。
注意点として、DisplayPort は帯域が高いぶん長尺になるほど信号面で不利になります。3m以上が必要な環境では、光ファイバー型など別の方式を検討したほうが安定します。まずは2mで足りるかを実測してください。
買う前に確認すること
1. PC側の出力端子が DisplayPort か、USB-C の DP Alt Mode か
2. モニター側の DisplayPort が Ver1.4 に対応しているか(仕様表で確認する)
3. 使いたい解像度とリフレッシュレートの組み合わせが、両方の仕様の範囲内か
4. 必要な長さを、直線距離ではなく実際の配線経路で測ったか
5. モニターアームで角度を変える運用なら、ラッチ付きかどうか
規格・仕様・価格は変動します。購入前にAmazonの商品ページとメーカーの製品ページで最新をご確認ください。