チェアのキャスター交換で床キズと音を減らすとは?
在宅ワークで椅子を買い替えるとき、多くの人は座り心地を見ます。ところが実際に不満として残りやすいのは、床に付く傷と、椅子を動かすたびのゴロゴロという音です。
原因はキャスターの材質にあります。オフィスチェアに標準で付いているキャスターの多くはナイロン製です。ナイロンは硬く、カーペット床では抵抗なく転がるので理にかなっています。しかしフローリングやPタイルのような硬い床の上では、硬い車輪が硬い床を削ります。 音が出るのも同じ理由です。
ここを直す方法は椅子の買い替えではありません。キャスターだけを交換します。オフィスチェアのキャスターは差し込み式で、工具なしで引き抜いて差し替えられる構造がほとんどです。数千円と数分で、床の傷と音の両方に効きます。
チェアマットを敷く方法もありますが、マットは机の下の面積を丸ごと占有し、掃除のときに動かす必要があります。キャスター交換は椅子側だけで完結するので、床に物を増やしません。
メリット・デメリット
メリット
- フローリングやPタイルへの傷を減らせます。原因が硬いナイロンと硬い床の組み合わせなので、車輪側を柔らかくするのが直接的な対処です。
- 転がる音が小さくなります。ウレタンやゴムは接地面が微小に変形して音を吸収します。集合住宅で階下への音が気になる場合にも効きます。
- 工具が不要な場合がほとんどです。古いキャスターを引き抜き、新しいものを差し込むだけで、5分程度で終わります。
- 椅子を買い替えるより桁違いに安く済みます。3,000円台から選べます。
デメリット
- 軸の太さと長さが合わないと使えません。 ここが最大の注意点で、後述する適応穴直径とシャフト長を必ず確認してください。合わないものを買うとまったく刺さらないか、抜けやすくなります。
- 柔らかい車輪はカーペット床では転がりにくくなります。カーペットの上で使っているなら、そもそも交換する理由がありません。
- ウレタンやゴムは経年で硬化・劣化します。ナイロンより寿命は短いと考えてください。
- 交換後に椅子の座面高がわずかに変わることがあります。 キャスターの直径が違えば当然です。ミリ単位で高さを詰めている人は、車輪径も見てください。
選ぶときに見るのは軸の径と長さ、それから材質
仕様表で見る項目は3つだけです。適応穴直径、シャフト長、材質です。
適応穴直径は、椅子の脚側にある差込穴の内径です。オフィスチェアでは11.12mmが事実上の標準で、この記事で挙げる4製品はいずれも11.12mmに対応します。ただし全ての椅子がこの規格ではないので、今付いているキャスターを一度抜いて、軸を実際に測ってから買ってください。
シャフト長は差込軸の長さで、ここで挙げる製品はいずれも26mmです。
材質は用途で決まります。硬質ウレタンは床への傷に強く、標準的な選択です。 熱可塑性ゴム(TRPゴム)は耐摩耗性に優れ、床を損傷しにくい性質があります。
もう1つ、双輪か単輪かという違いがあります。双輪は左右2枚の車輪で1つのキャスターを構成する形で、荷重が分散し安定します。単輪は1枚です。
以下の4製品は、いずれもサンワサプライ公式ページで仕様と価格を確認し、Amazon.co.jpでの取り扱いも確認したものです。
おすすめ製品の比較
| 製品名 | 特徴 | こんな人向け |
|---|---|---|
| サンワサプライ SNC-CAST | 硬質ウレタンゴム、双輪、ブラック、5個入り | まず標準的な交換をしたい人 |
| サンワサプライ SNC-CASTGY | 同仕様のグレー、5個入り | 椅子や床の色に合わせたい人 |
| サンワサプライ SNC-CAST2K | TRPゴム(熱可塑性ゴム)、単輪、5個入り | 耐摩耗性を重視する人 |
| サンワサプライ SNC-CAST3 | 直径60mmの大型キャスター用ウレタン、5個入り | 大型キャスターの椅子を使っている人 |
1. サンワサプライ SNC-CAST
適応穴直径11.12mm、シャフト長26mm、材質は硬質ウレタンゴムの双輪キャスターです。5個入りで、標準価格は3,300円(税抜3,000円)。カラーはブラックです。
最初に検討すべきはこれです。 オフィスチェアの標準的な軸規格に合い、双輪で安定し、フローリングへの傷に効きます。5個入りなので、一般的な5本脚のチェア1台をちょうど交換できます。
メーカーは注意書きとして、通常のナイロン製キャスターはカーペット床に適しているが、Pタイル、フローリング、コンクリートなどの硬い床ではウレタン・ゴムキャスターを勧める、と明記しています。この一文が、交換すべきかどうかの判断基準そのものです。 自宅の床がカーペットなら、交換しても得るものはありません。
2. サンワサプライ SNC-CASTGY
SNC-CASTと同じ仕様のグレー版です。適応穴直径11.12mm、シャフト長26mm、硬質ウレタンゴム、5個入り。標準価格は3,080円(税抜2,800円)で、ブラック版より220円安い設定になっています。
機能差はありません。選ぶ理由は色だけです。 ただし在宅ワークのデスク周りでは、これが意外に効きます。明るい床材の部屋で黒いキャスターは目線に入りますし、椅子のフレームがグレー系なら統一感が出ます。
価格が数百円とはいえ安いのも事実なので、色にこだわりがなく在庫があるなら、こちらを選んでも損はありません。
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3. サンワサプライ SNC-CAST2K
材質がTRPゴム(熱可塑性ゴム)の単輪キャスターです。適応穴直径11.12mm、シャフト長26mm、5個入りで、標準価格は7,370円(税抜6,700円)。ウレタン版の倍以上の価格です。
メーカーの説明では、耐摩耗性に優れ、床を損傷しにくいゴム製とされています。ウレタンとゴムの違いは、摩耗のしかたにあります。 ウレタンは滑りが良く転がりも軽いのですが、砂やゴミを噛み込んだまま転がると床に線を引くことがあります。ゴムは接地面がやわらかく、摩耗への耐性が高い方向の材質です。
単輪である点は好みが分かれます。双輪より部品点数が少なくすっきりしますが、荷重が1枚の車輪に集中します。
倍の価格を払う価値があるかは、床材と使用時間で決まります。 無垢のフローリングで1日8時間座る環境なら検討に値します。合板フローリングで数時間なら、ウレタンで十分でしょう。
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4. サンワサプライ SNC-CAST3
直径60mmの大型キャスターを採用したチェア向けのウレタン巻き双輪キャスターです。5個入り、標準価格は5,060円(税抜4,600円)。
ここまでの3製品と違い、これは椅子側が大型キャスターを使っている場合の交換品です。エグゼクティブチェアやゲーミングチェアなど、車輪の大きい椅子が該当します。
車輪径は座面高に直結します。 60mm用の椅子に標準サイズのキャスターを付ければ座面が下がり、逆も同じです。今付いているキャスターの車輪の直径を測ってから選んでください。ここを間違えると、机との高さ関係が変わってしまいます。
大径キャスターは段差やケーブルを乗り越えやすいという利点もあります。デスク下に電源タップやケーブルトレイを置いている環境では、これが日常の使い勝手に効きます。
まとめ
買う前にやることが1つあります。 今のキャスターを1つ引き抜いて、軸の直径と長さ、それに車輪の直径を測ってください。この記事の4製品はいずれも適応穴直径11.12mm・シャフト長26mmですが、全ての椅子がこの規格ではありません。測らずに買って合わなかった、というのがこのジャンルで最も多い失敗です。
初めて交換するならSNC-CASTかSNC-CASTGYです。標準的な軸規格で、双輪で安定し、3,000円台。色の好みで選んでください。
コスパで選ぶならSNC-CASTGY(3,080円)がわずかに安く、性能は同じです。
高機能を求めるならSNC-CAST2Kですが、7,370円という価格に見合うのは、無垢材の床や長時間の使用といった条件が揃う場合です。ウレタンで足りる環境のほうが多いというのが率直なところです。
大型キャスターの椅子ならSNC-CAST3を選ぶことになります。これは好みではなく適合の問題です。
最後にもう一度。床がカーペットなら、交換する必要はありません。 ナイロン製のままのほうが転がりが軽く、傷の心配もありません。この記事はフローリングやPタイルの上で椅子を使っている人のためのものです。価格は変動しますので、購入前にAmazonの商品ページで最新の価格をご確認ください。