HHKB Studio は、HHKB を名乗りながら従来モデルとは別の設計思想で作られたキーボードです。ポインティングスティックとマウスボタンを内蔵し、キーボードから手を離さずにカーソルまで動かせます。
ただし、HHKB を買う理由として最もよく挙げられる「静電容量無接点方式の打鍵感」は、この機種にはありません。買ってから気づくと取り返しがつかない違いなので、そこを先に整理します。
HHKB Studio で何ができるのか
ポインティングスティックとマウスボタン
キーボード中央にポインティングスティックがあり、スペースキーの下に3つのマウスボタンが並びます。PFU はこの構成を「マウス機能が統合されているため、タッチパッドやマウスは不要」と説明しています。ノートPCの中央にある赤いスティックと同じ位置づけで、ホームポジションから手を外さずにカーソルを動かせるのが最大の特徴です。
4つのジェスチャーパッド
本体の縁に4つのジェスチャーパッドがあり、指先をなぞる操作でボリュームなどのアナログ量を調整したり、ウィンドウを切り替えたりできます。割り当ては変更でき、よく使うアプリのコマンドを載せることもできます。
設定がキーボード本体に残る
キーおよびジェスチャーパッドのキーマップ設定はHHKB本体に保存されます。接続するデバイスを変えても自分のキーマップがそのまま使え、プロファイルは4つまで作れます。DIPスイッチでカスタムキーの動作や省電力設定も変えられます。会社のPCと自宅のPCを行き来する使い方では、この仕様が効きます。
接続とサイズ
USB Type-C の有線接続に加えて、PC・タブレット・スマートフォン(iPad、iPhone、Android)への Bluetooth 接続に対応し、最大4台までマルチペアリングできます。日本語配列は69キーで、Amazon.co.jp の商品情報では寸法 30.8 × 13.2 × 4.1 cm、同梱品として USB Type-C ケーブルと単3形アルカリ乾電池4本が挙げられています。キースイッチはホットスワップ方式で、自分で好みのスイッチに交換できます。
購入前に知っておきたいデメリット
静電容量無接点方式ではない
ここが一番大きい点です。HHKB Professional シリーズが採用してきた静電容量無接点方式ではなく、リニアタイプの静音メカニカルスイッチです。PFU はこれを「ノイズが軽減され、深い集中を可能にします」と説明していますが、Professional の打鍵感を期待して買うと別物に感じます。HHKB の打鍵感が目的なら、選ぶべきは Professional 系です。
本体が厚く、重い
高さ 4.1 cm は、薄型キーボードと比べるとかなりの厚みです。パームレストなしで長時間打つと手首の角度がきつくなる可能性があります。ジェスチャーパッドを縁に持つ構造上、本体を小さくしにくいという事情もあります。持ち歩き前提なら、実機の厚みを見てから決めるほうが安全です。
ポインティングスティックには慣れが要る
ノートPCで同種のスティックを使ってきた人にはすぐ馴染みますが、触れたことがない人は最初の数日でかなり戸惑います。マウスより速くなるのは慣れたあとで、それまでは作業効率がむしろ落ちます。店頭で触れる機会があるなら、買う前に試しておく価値があります。
価格帯が上
PFU の公式通販(PFUダイレクト)では、HHKB Studio の日本語配列はキートップセットとの特別セットで 46,590円(税込)という表示が並んでいます(2026年8月30日確認)。同じ店で HHKB Professional Classic Type-S のフレキシブルワークセットが 37,700円、Professional HYBRID Type-S のセットが 42,000円という並びです。構成によって価格は変わるため、購入前に販売ページで確認してください。
比較の候補
* PFU HHKB Studio
ポインティングスティックとジェスチャーパッドを内蔵し、キーボードだけで作業を完結させたい人向けです。キーマップが本体に残るため、複数のPCを行き来する人ほど効きます。打鍵感は静電容量無接点ではなくメカニカル(リニア・静音)である点に注意してください。
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* PFU HHKB Professional HYBRID Type-S
HHKB の打鍵感が目的ならこちらです。静電容量無接点方式で、Bluetooth と USB の両対応。ポインティングスティックは付きませんが、その代わり本体は薄く軽く仕上がっています。
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* Logicool MX Mechanical Mini
テンキーレスの薄型メカニカル。厚みを抑えたい人向けで、公式ストアの表示は 22,220円(税込)です。ポインティングデバイスは内蔵しませんが、同社のマウスと Easy-Switch で組み合わせられます。
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* Keychron K2
ホットスワップに対応したコンパクトなメカニカルキーボードで、価格帯は HHKB より下です。スイッチを自分で入れ替えて打鍵感を探りたい段階の人には、こちらから始めるほうが失敗のコストが小さくなります。
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まとめ
HHKB Studio が向くのは、キーボードから手を離す動作そのものを減らしたい人です。ポインティングスティックとジェスチャーパッド、そして本体に残るキーマップという3点は、他のキーボードで代わりが利きません。
逆に、HHKB という名前から静電容量無接点の打鍵感を期待している人は、Professional 系を選ぶべきです。名前は同じでも中身は別物で、ここを取り違えると価格のわりに満足度が下がります。ポインティングスティックを使った経験がない場合は、慣れるまでの数日を見込んでおいてください。
本記事の仕様は Amazon.co.jp の商品ページと PFU の公式通販サイト(2026年8月30日確認)に基づきます。価格は変動するため、購入前に必ず販売ページで最新の表示を確認してください。