ショートカットを覚えるかわりに、押せる場所を作る
在宅ワークで一日中同じアプリを触っていると、決まった操作を何十回も繰り返します。会議のミュート、画面共有、音量、アプリの切り替え、動画編集のカット。キーボードショートカットで済む話ではありますが、アプリごとに割り当てが違うので、結局覚えきれずにメニューを探すことになります。
この問題に対する答えの一つが、物理キーとダイヤルを並べた専用デバイスです。押す場所を物理的に固定してしまえば、覚えるのはショートカットではなく「左手のこの位置」だけになります。
2つの系統がある
いま選択肢は大きく2系統に分かれます。液晶キーを並べる系統と、ダイヤルを主役にする系統です。前者は押す対象が画面に出るので何を割り当てたか一目で分かり、後者は連続量(音量、明るさ、タイムライン送り)を扱いやすくなります。
1. Elgato Stream Deck
液晶キーを並べる系統の代表です。ラインナップはキー数で分かれています。
| モデル | キー数 | 接続 |
|---|---|---|
| Stream Deck Mini | 6 | USB 2.0 Type-A |
| Stream Deck(クラシックキー/シザーキー) | 15 | USB 2.0 Type-A |
| Stream Deck XL | 32 | USB 2.0 Type-A |
| Stream Deck + | 記載なし(ダイヤル併載モデル) | USB 3.0 Type-C |
対応OSは Windows 11以降、macOS 13以降です。15キーのクラシックキーモデルの公式価格は24,180円(税込)です。
キー数の選び方はシンプルで、割り当てたい操作を紙に書き出してから決めるのが確実です。6個で足りるなら Mini で十分ですし、フォルダ機能で階層化する前提なら15キーでかなりの数を捌けます。32キーのXLは、階層をたどらずに全部を一段で並べたい人向けです。
なお、いずれもUSB接続で、ケーブルが1本デスクに増えます。ノートPCを持ち歩く使い方だと、この点は素直に不便です。
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2. ロジクール MX Creative Console
ダイヤルを主役にした系統です。ワイヤレス接続で、公式価格は32,780円(税込)です。
公式が対応をうたっているアプリは、Adobe Photoshop、Adobe Premiere Pro、Adobe Illustrator、Adobe Lightroom、Lightroom Classic、Final Cut Pro、DaVinci Resolve、Figma、Zoom、Spotify です。この並びが示すとおり、想定されているのは制作系のアプリです。 Zoomが入っているのでWeb会議の操作にも使えますが、対応アプリの中心は画像・映像・デザインの制作にあります。
ワイヤレスなのでデスクのケーブルは増えません。持ち運びを前提にした使い方や、デスクの上をこれ以上ケーブルで埋めたくない人には効いてきます。
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メリット・デメリット
メリット
- アプリごとのショートカットを覚えなくてよくなる: 割り当ての場所さえ覚えれば、アプリが変わっても指の位置は変わらない
- 連続量の操作が速い: 音量・明るさ・タイムラインの送りは、ダイヤルのほうがキーの連打より速くて正確
- 会議中の操作ミスが減る: ミュートや画面共有を専用キーに置くと、画面上のボタンを探す時間がなくなる
- 液晶キーは何を割り当てたか見える: 使う頻度の低い操作でも、忘れて使わなくなるということが起きにくい
デメリット
- 価格が高い: 24,180円から32,780円という水準は、周辺機器としては安くない。まずキーボードのショートカット登録で足りないかを試してから検討するべき
- 設定に手間がかかる: 買っただけでは何も速くならない。自分の作業を棚卸しして割り当てを設計する時間が必要
- アプリ対応に差がある: 公式が対応をうたうアプリ以外では、汎用のキーストローク送信で代用することになり、できることが減る
- デスクの面積を取る: キーボードとマウスの間か左側に常設することになるので、10cm前後の場所を空ける必要がある
- Stream DeckはUSB有線: ケーブルが1本増える。ワイヤレス派には MX Creative Console 側が合う
どちらを選ぶか
- Web会議のミュート・画面共有・音量を固定したい → キー数の少ない Stream Deck Mini で足りることが多い
- アプリの切り替えやシーン切り替えを大量に置きたい → Stream Deck の15キーか32キーのXL
- Adobe系やDaVinci Resolveで、連続量の調整が作業の中心 → MX Creative Console のダイヤル
- デスクのケーブルをこれ以上増やしたくない → ワイヤレスの MX Creative Console
まとめ
この種のデバイスは、買った瞬間に速くなる道具ではありません。効果は「何を割り当てるか」の設計でほぼ決まります。 先に自分の繰り返し操作を10個書き出し、そのうち何個が連続量(ダイヤル向き)で何個が単発(キー向き)かを数えてから選ぶと、キー数もダイヤルの要否も自然に決まります。
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