在宅で会議をしていて相手から「声が遠い」と言われる場合、原因はマイクの品質ではなく置き場所であることが多いです。ノートPC内蔵マイクは口元から離れているうえ、キーボードの打鍵音を拾う位置にあります。スピーカーフォンは、その「机に置いたまま話す」前提で作られた機材です。Jabra の Speak2 シリーズは2023年2月28日に発表され、Speak2 75 / Speak2 55 / Speak2 40 の3モデルが用意されました。
先に結論を書くと、Speak2 55 は1人から少人数の会議で使う人向けで、長時間の外出や広い会議室を想定するなら上位の75を見るべきです。以下、公表されている数字で判断材料を並べます。
Speak2 55 で何ができるのか
ビームフォーミングマイク4本
Speak2 シリーズは3モデルとも 4本のビームフォーミングノイズキャンセリングマイクを備えます。同社のスピーカーフォンとしては最多と案内されています。
ビームフォーミングは、複数のマイクに音が届く時間差から音の来た方向を推定し、話者の方向を優先して拾う仕組みです。効くのは机の上に雑音源がある環境で、空調やキーボードの音が話し声と別方向から来るときに差が出ます。逆に、静かな個室でヘッドセットを使っているなら、この数を増やす意味はほとんどありません。
50mmフルレンジスピーカー
50mm径のフルレンジスピーカーを積み、ワイドバンドのオーディオに対応します。
会議用途で口径が効くのは、相手の声の低いほうの帯域です。小型のスピーカーだと男性の低い声が痩せて聞き取りにくくなります。ただし、上位の Speak2 75 は65mm径なので、音の余裕という点では差があります。音楽を鳴らす用途を兼ねたいなら、この差は無視できません。
電池は最大12時間
Bluetooth接続での連続通話時間は 最大12時間です。充電はUSB経由で、1A給電なら最大2.5時間、0.5A給電なら最大5時間かかると案内されています。
12時間は「1日の会議を通す」には足りますが、充電を忘れた翌日に持ち出すと危うい水準です。上位の Speak2 75 は最大32時間なので、ここは明確な差になります。据え置きでUSBに挿しっぱなしにするなら、この項目は気にしなくてかまいません。
接続はUSBとBluetooth 5.1
USB-A / USB-C 接続と Bluetooth 5.1(無線範囲30m)に対応します。集音範囲は半径2.3mと案内されています。
半径2.3mは、机を挟んで2〜4人までなら収まる範囲です。会議室のテーブルの端から端まで拾う想定ではありません。人数が増えるなら、置き場所を中央にするか、より大きなモデルを検討してください。
IP64の防塵防滴
IP64の防塵防滴に対応します。持ち歩いてカバンに放り込む使い方をするなら、この等級は保険になります。
認証
Microsoft Teams Rooms の認証を取得しており、Google Meet や Zoom でも使えると案内されています。会社支給のPCで使う場合は、社内で許可された機材かどうかを先に確認してください。
メリット・デメリット
メリット
- ビームフォーミングマイク4本で、机の上の雑音がある環境でも声を拾いやすい
- 50mmフルレンジスピーカーで、ノートPC内蔵スピーカーより相手の声が聞き取りやすい
- USB と Bluetooth 5.1 の両対応で、PCとスマートフォンを行き来できる
- IP64の防塵防滴で持ち運びに強い
デメリット
- 発表時の想定価格25,000円。同じ「会議用マイク」でも数千円の製品はある
- 電池は最大12時間で、上位の Speak2 75(最大32時間)より大幅に短い
- スピーカーは50mm径。65mmの75と比べると音の余裕がない
- 集音範囲は半径2.3m。広い会議室の全員を1台で拾う想定ではない
- 充電は0.5A給電だと最大5時間かかり、休憩中に満充電にはならない
おすすめ製品の比較
1. Jabra Speak2 55
マイク4本、50mmスピーカー、Bluetooth 5.1、電池最大12時間、IP64。発表時の想定価格は25,000円です。自宅の机に置きっぱなしにしつつ、たまに持ち出す人に向きます。デメリットは電池とスピーカー口径で、どちらも上位モデルに一段譲ります。据え置き中心なら電池の差は効かないので、そこが判断の分かれ目です。
2. Jabra Speak2 75
65mm径スピーカーと最大32時間の電池を持つ上位モデルです。発表時の想定価格は48,000円、USBドングル同梱版が53,500円でした。出張や客先での会議が多く、充電できない時間が長い人はこちらです。デメリットは価格で、55との差額は2万円を超えます。自宅据え置きが主なら、その差額はほぼ使い切れません。
3. Jabra Speak2 40
同じマイク4本構成で、USB接続のみの有線モデルです。発表時の想定価格は22,000円でした。机から動かさない前提で、電池の劣化を気にしたくない人に向きます。デメリットは Bluetooth が使えないことで、スマートフォンでの通話に流用できません。持ち出す予定がまったくないなら、55との価格差ぶんを他に回せます。
選び方のポイント
| 製品名 | 特徴 | こんな人向け |
|---|---|---|
| Jabra Speak2 55 | マイク4本・50mm・BT5.1・電池12時間 | 据え置き中心でたまに持ち出す |
| Jabra Speak2 75 | 65mmスピーカー・電池32時間 | 外出が多く充電できない時間が長い |
| Jabra Speak2 40 | USB有線のみ・マイク4本 | 机から動かさない・電池を持ちたくない |
初めて買うなら、会議中にPCから何センチ離れた位置に置くかを先に測ってください。半径2.3mの集音範囲に自分が入るかどうかで、必要な性能が決まります。コスパで選ぶなら有線の40、高機能を求めるなら電池とスピーカーで余裕のある75です。55はその中間で、据え置きと持ち出しの両方を1台で済ませたい人のための選択肢になります。
まとめ
Speak2 55 は、3モデルの中では「Bluetoothが使えて、電池はほどほど」という位置づけです。マイクの本数は3モデル共通なので、声を拾う仕組みそのものでは差がありません。差が出るのは電池の持ち、スピーカーの口径、そして接続方法です。据え置きで使う時間が9割なら40との差額を電池に払う意味は薄く、逆に外に持ち出す時間が長いなら12時間では足りない場面が出ます。自分の使い方が3つのどこに当たるかで選んでください。なお価格は変動するため、購入前にAmazonなどで最新の価格をご確認ください。