暗くすると目が疲れるモニターがある

夜に画面を暗くしたほうが楽なはずなのに、輝度を下げるとかえって目が疲れる。そういうモニターがあります。原因は明るさの変え方にあることが多いです。

液晶モニターの明るさは、背面のバックライト(LED)の出力で決まります。この出力を変える方法が2つあり、目への当たりがまったく違います。

PWM調光とDC調光

PWM調光は、バックライトを高速で点けたり消したりする方式です。1秒間に数百回から数千回の点滅を繰り返し、点いている時間の割合で明るさを表現します。暗くしたいときは、消えている時間の割合を増やします。

DC調光は、バックライトに流す電流そのものを増減させる方式です。点滅しないので、原理的にちらつき(フリッカー)が起きません。

PWM調光DC調光
明るさの変え方点滅の比率電流の量
ちらつき起きる原理的に起きない
輝度を下げたときちらつきが強くなる変わらない
低輝度での色安定しやすい不安定になりやすい
コスト安い高い

ここが肝心です。PWM調光は、輝度を下げるほどちらつきが強くなります。 消えている時間の割合が増えるからです。「暗くすると疲れる」という感覚は、この性質と噛み合っています。

「フリッカーフリー」は何を指しているか

フリッカーフリーは、バックライトの点滅をなくした(=DC調光にした、あるいは点滅の周波数を人が知覚できない領域まで上げた)モニターに使われる表記です。

読み方の注意点が3つあります。

1. 業界共通の認証ではない。 フリッカーフリーという語に、統一された規格番号や第三者の認証試験があるわけではありません。メーカーが自社の基準で付けています。
2. 「低ブルーライト」とは別の話。 ブルーライト低減は色温度を変える機能で、ちらつきとは無関係です。同じ「目にやさしい」欄にまとめて書かれるため混同しやすい部分です。
3. 全輝度で保証されているとは限らない。 一部の輝度域だけDC調光で、暗くするとPWMに切り替わる製品があります。仕様表に「全輝度域でフリッカーフリー」と書かれているかを見ます。

自分のモニターがどちらか調べる方法

仕様表に記載が無いときは、手元で確かめられます。スマートフォンのカメラを画面に向けて、輝度を下げていく方法です。PWM調光だと、カメラのシャッター速度と点滅が干渉して横縞(バンド)が流れて見えることがあります。DC調光ならこれが出ません。

確実な判定ではありませんが、目安にはなります。輝度100パーセントでは出ず、30パーセント以下で出る場合は、低輝度でPWMに入る製品だと考えられます。

メリット・デメリット

メリット(DC調光・フリッカーフリーを選ぶ場合)

  • 暗い環境で長時間使いやすい: 輝度を下げてもちらつきが増えない

  • カメラ越しの縞が出にくい: 画面を撮影する用途で扱いやすい

  • 夜間に輝度を落とす選択が取りやすくなる: 暗くすることの不利が減る

デメリット

  • 低輝度で色が転びやすい: 電流を絞ると色の出方が不安定になる製品がある

  • 価格が上がりやすい: 制御が複雑になるぶんコストがかかる

  • 表記が信用しきれない: 統一規格が無く、全輝度域で有効かどうかは製品ごとに違う

  • ちらつきに気づかない人には差が分からない: 感じ方に個人差が大きく、買い替えても体感が変わらない場合がある

買う前に見る3点

1. 仕様表で「フリッカーフリー」と「全輝度域」の両方を探す。 輝度域の条件が書かれていない表記は、暗い側でPWMに入る可能性を残します
2. 低ブルーライトの欄と混ぜて読まない。 別の機能です。ちらつき対策にはなりません
3. いま使っているモニターを先にカメラで確かめる。 縞が出ないなら、買い替えても疲れ目の原因は別のところにあります

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まとめ

PWM調光は安く作れる代わりに、輝度を下げるほどちらつきが増える方式です。DC調光はその逆で、低輝度でも点滅しません。夜間に輝度を落として作業する人ほど、この差が効きます。仕様表では「フリッカーフリー」の語だけでなく、どの輝度域で有効かまで見てください。

出典

  • PWM調光とDC調光の仕組み、フリッカーの発生条件に関する各解説(EIZO の技術資料「EyeCare 調光機能について」および同社の疲れ目に関する解説、モニター解説記事)確認日 2026-09-23