折りたたみキーボードおすすめとは?
在宅ワークが基本でも、週に何日かは外で作業する人は多い。カフェや出先でノートPCを開くとき、あるいはタブレットとスマートフォンで文章を書くとき、ネックになるのは入力の速度である。画面上のソフトウェアキーボードでは、家で使っているキーボードと同じ速さは出ない。
折りたたみキーボードは、この差を埋めるための道具である。畳めばカバンの隙間に入り、広げれば実用的なキーピッチが得られる。ただし「小さくて軽い」ことと「打ちやすい」ことは基本的に両立しない。この記事では、どこを削って何を取るかという観点で、実在する3製品を比べる。
メリット・デメリット
メリット
- 折りたたみ時の面積が本体の半分から3分の1になり、A5サイズの手帳と同程度になる製品がある。カバンの中で場所を取らない
- 3つ折りタイプは中央のキー列を残せるため、19mmという据え置きキーボードと同じキーピッチを確保できる製品がある
- Bluetooth接続なら、ノートPC・タブレット・スマートフォンのどれにも同じキーボードを使い回せる
- 折りたたみ機構のぶん本体に厚みが出るので、机の上で角度が付き、平らなキーボードより手首が自然な角度になる製品がある
デメリット
- 折り目の位置にあるキーは、他のキーより幅が狭くなることがある。MOBO Keyboard 2 はキーピッチが19mmだが、一部のキーは16.6mmと14.3mmに縮んでいる
- 軽い製品ほどキーが小さい。iClever IC-BK06 は176gと軽い代わりに、ファンクションキー列が無く、英語配列である
- 膝の上や柔らかい場所では、折り目を軸に本体がたわむ。安定して使うには平らな面が要る
- 折りたたみ機構は可動部なので、繰り返し畳むことによる劣化が起きうる。据え置きのキーボードより寿命の面では不利である
- 日本語配列の製品は、英語配列の製品より重い傾向がある。かな入力の刻印と変換キーのぶん、キー数が増えるためである
おすすめ製品の比較
大まかに言うと、日本語配列を優先するなら重さを受け入れる、軽さを優先するなら英語配列を受け入れるという関係になっている。以下の3製品はその両端と中間に位置する。
1. MOBO Keyboard 2 AM-K2TF83J
アーキサイトの日本語JIS配列の折りたたみキーボードである。83キーの三つ折り構造で、キースイッチはパンタグラフ(アイソレーションタイプ)。キーピッチは19mmで、これは一般的な据え置きキーボードと同じ数値である。ただしメーカーの仕様表では「19mm(一部 16.6mm / 14.3mm)」と書かれており、折り目の周辺は狭くなっている。
サイズは使用時が W291 × D13 × H120 mm、折りたたみ時が W166 × D15 × H120 mm。重量はキーボード本体が286g、付属のスタンドカバーが172gである。この172gは見落としやすい。 スタンドカバーはタブレットを立てるために使うので、タブレット運用なら実質458gを持ち歩くことになる。
接続は Bluetooth 5.1 Class2 と USB-C 有線の両対応で、バッテリーは210mAh、連続使用時間は最大約84時間とされている。付属品は本体、USBケーブル(Aタイプオス - Cタイプオス)、専用スタンドカバー、取扱説明書兼保証書。
向いている人: 日本語配列でないと変換操作が崩れる人。かな入力を使う人。向いていない人: 重さを最優先する人。286g(カバー込み458g)は、この記事の3製品では最も重い。
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2. iClever IC-BK06
サウザンドショアスが取り扱う英語配列の折りたたみキーボードである。重量176gで、この記事の中では中間の軽さになる。厚みは約12mm、パンタグラフ方式で、充電は USB-C である。
特徴は形状にある。展開すると中央から左右がわずかに開いた角度になり、手首がまっすぐ前を向かない配置になる。いわゆるスプリット(分割)に近い考え方で、長時間の入力での手首の角度を意識した設計である。ファンクションキーの独立した列は無く、その代わりに本体を小さくしている。
注意点は配列である。 英語配列なので、日本語入力の切り替えは「半角/全角」キーではなく別の操作になる。WindowsでもmacOSでも設定で対応できるが、日本語配列に慣れた人が持ち替えると、最初の数日は変換のたびに手が止まる。この学習コストを許容できるかが選択の分かれ目である。
向いている人: 英語配列に抵抗がなく、176gという軽さを重視する人。向いていない人: 会社のPCが日本語配列で、家と外で配列を行き来したくない人。
3. サンワサプライ 400-SKB061
サンワサプライのBluetoothキーボードで、英字配列(US)、Bluetooth Ver.3.0 接続である。重量は134gで、この3製品の中では最も軽い。メーカーの対応OS表記は iOS 9〜18 と iPadOS 13〜18 が中心になっており、iPad・iPhoneでの利用を主眼に置いた製品として位置づけられている。
軽さの代償ははっきりしている。134gという数値は、MOBO Keyboard 2 の本体だけと比べても半分以下で、そのぶんキーは小さく、打鍵の安定感も据え置き型には及ばない。長文をまとめて書く用途より、移動中に短いメールや議事録の修正を打つ用途に向く。
Bluetooth のバージョンが 3.0 である点も確認しておきたい。最近の 5.x 世代と比べると省電力性と接続の安定性で差がある。実用上の問題が出るとは限らないが、新しい規格を前提に選ぶ人は仕様欄を見てから判断したほうがよい。
向いている人: iPad と組み合わせて使い、とにかく軽くしたい人。向いていない人: Windows PC のメインの入力機として使いたい人。
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まとめ
3製品の位置づけを整理する。
| 製品 | 配列 | 重量 | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| MOBO Keyboard 2 AM-K2TF83J | 日本語JIS | 本体286g(カバー172g) | 長文をきちんと書く。配列を変えたくない |
| iClever IC-BK06 | 英語 | 176g | 軽さと打鍵の両立。英語配列でよい |
| サンワサプライ 400-SKB061 | 英字(US) | 134g | iPadで軽く持ち歩く。短文中心 |
選び方の順序としては、まず配列を決め、次に重さの上限を決めるのが失敗しにくい。逆にすると、軽さで選んだ製品の配列が合わずに使わなくなる。折りたたみキーボードが引き出しで眠る原因の多くはこれである。
もう1つ、買う前に「どこで使うか」を具体的に決めておくとよい。カフェのテーブルのように平らな場所が確保できるなら折りたたみの弱点はほぼ出ないが、膝の上で使うつもりなら、たわみの少ない厚めの製品を選ぶか、そもそも折りたたみ以外を検討したほうがよい。
なお、価格は変動する。ここに書いた仕様はメーカーの公表値だが、実際の販売価格と在庫は購入時点でAmazonの商品ページを確認してほしい。仕様も改訂されることがあるので、型番が一致しているかを合わせて見ておくと確実である。