在宅ワークの足元だけが冷えるのはなぜか
部屋全体を暖めているのに足だけ冷たい、という状態は在宅ワークでよく起きる。暖かい空気は上にたまるので、座っている位置の床付近は室温より低くなりやすい。エアコンの設定温度を上げても、上がるのは天井付近の温度で、足元は最後まで追いつかない。
この形の冷えに対しては、部屋を暖める機器より、体に触れる位置で暖める機器のほうが消費電力あたりの体感が大きい。電気ひざ掛けは定格でも数十Wで、エアコンやセラミックファンヒーターとは一桁違う。ここでは実在する3製品の公表値を並べて、選び方を整理する。
メリット・デメリット
メリット
- 消費電力が小さい。後述の山善 YHK-SP61 は定格36W、弱運転なら1時間あたり約16Whで、暖房器具としては最も軽い部類に入る
- 部屋を暖める必要がないので、同居している人と温度の好みが違っても影響しない
- 丸洗いできる製品が多く、毎日ひざに乗せても清潔を保ちやすい
- 切り忘れ防止タイマーを持つ製品なら、会議に集中して消し忘れても自動で切れる
デメリット
- コードにつながれるので、席を立つたびに外すことになる。会議で立ったり、飲み物を取りに行く回数が多い人はわずらわしい
- 暖まるのは触れている面だけで、部屋の温度は上がらない。手先や鼻先の冷えには効かない
- 低温やけどのリスクがある。長時間同じ場所に当て続けない、寝ながら使わない、という注意はどの製品の取扱説明書にも書かれている
- 洗える製品でも、コントローラーを外してから洗う必要がある。洗濯の手間はふつうのひざ掛けより多い
おすすめ製品の比較
| 製品名 | 特徴 | こんな人向け |
|---|---|---|
| 山善 YHK-SP61 | 袋型で下半身がすっぽり入る。定格36W | 座りっぱなしで足先まで暖めたい人 |
| 椙山紡織 NA-055H | 140×82cmの大判・日本製・室温センサー付き | 肩まで掛けたい人、広く使いたい人 |
| 山善 YHK-US42 | ポンチョ型のUSB給電・130×80cm | パソコンのUSBポートから給電したい人 |
1. 山善 YHK-SP61 電気ひざ掛け
袋型(すっぽり型)の電気ひざ掛けで、製品サイズは700×1000mm、重量は約900g。電源はAC100V、定格消費電力は36Wである。温度調節は3段階で、表面温度は弱が約26度、中が約34度、強が約42度。1時間あたりの消費電力量は弱で約16Wh、中で約28Wh、強で約36Whと公表されている。
袋型なので、足先まで包まれる。足先のファスナーで開閉でき、暑くなったら足だけ出せる。ダニ対策機能と丸洗いに対応し、切り忘れ防止タイマーとコントローラー収納ポケットも付く。電源コードは電源側1.9m、本体側0.6mである。
デメリットは形状そのものにある。袋型は足を入れる構造なので、立ち座りのたびに足を抜く動作が要る。 席を頻繁に立つ働き方だと、この一手間が効いてくる。広げて普通のひざ掛けとして使いたいなら、同じ山善の YHK-MSP50(4WAY仕様)や YHK-MSP60(5WAY仕様)のように広げられる型を選んだほうがよい。
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2. 椙山紡織 NA-055H 電気ひざ掛け毛布
日本製の大判タイプで、サイズは約140(135)×82(80)cm、消費電力は55W、素材はアクリル100%、質量は約0.85kg(コントローラー込み)。表面温度は強が約52度、中が約36度、弱が約20度で、1時間あたりの消費電力量は強で約31Wh、中で約18Wh、弱で約3Whと公表されている。室温センサーを持ち、丸洗いとダニ退治機能にも対応する。電源コードは約1.9m、毛布側は約0.6mである。
弱運転の約3Whは、今回並べた3製品のなかで飛び抜けて小さい。 室温センサーが室温に応じて出力を調整するので、暖かい日は自動で電力を落とす設計になっている。140×82cmは大判で、ひざだけでなく肩から掛けても足りる。
デメリットは定格55Wという数字そのもので、強で使い続けると山善 YHK-SP61 の強(36Wh/h)より電力を食う。また表面温度の強が約52度と高めなので、直接肌に当てたまま長く使う用途には向かない。大判なので、椅子の上でまとめると厚みが出て、肘掛けのある椅子では余った布が邪魔になることがある。
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3. 山善 YHK-US42 電気ひざ掛け ポンチョ
USB給電のポンチョ型ブランケットで、サイズは130×80cm。丸洗いに対応し、自動オフタイマーを持つ。肩から掛けるポンチョとしても、ひざ掛けとしても使える。
USB給電なので、パソコンやモバイルバッテリーから電源を取れる。コンセントが埋まっているデスクでも増やさずに済むのが利点である。
デメリットはUSB給電であること自体から来る。USBから取れる電力はAC100V機と比べて小さいので、暖かさの上限は上の2製品より低い。 真冬の底冷えに対してこれ1枚で足りるかは、部屋の断熱と室温による。パソコンのUSBポートから取る場合、ポートの供給能力によっては動作が不安定になる可能性もある。給電元をどうするかを先に決めてから選ぶべき製品である。
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選び方のポイント
1. 座っている時間が長いか、席を立つ回数が多いか。 座りっぱなしなら袋型(YHK-SP61)が暖かい。立つ回数が多いなら広げられる型かポンチョ型のほうが扱いやすい
2. 電気代を気にするなら「定格消費電力」ではなく「1時間あたりの消費電力量」を見る。 定格はいちばん強いときの値で、実際に使う弱・中の値とは大きく違う。NA-055H は定格55Wだが弱では約3Wh/hである
3. コンセントが空いているか。 空いていないなら USB 給電型を検討する価値があるが、暖かさは落ちる
4. 洗えるかどうかは必ず確認する。 今回の3製品はいずれも丸洗いに対応するが、コントローラーを外す手順は製品ごとに違う
まとめ
初めて買うなら、足元の冷えという悩みに直接効く袋型の山善 YHK-SP61 が扱いやすい。消費電力を最優先するなら椙山紡織 NA-055H の弱運転(約3Wh/h)が最も軽い。コンセントを増やしたくないなら山善 YHK-US42 のUSB型という順で考えるとよい。
いずれも低温やけどを避けるため、直接肌に当てたまま眠らないこと、同じ場所に長時間当て続けないことは共通の注意である。価格は変動するため、購入前にAmazonの商品ページで最新の価格と仕様を確認してほしい。